【3/30〜の週】ISM・雇用統計・パウエル全部入り、AI&プロの通貨別見通し

今週は「超過密スケジュール」の一言に尽きます。月曜にパウエルFRB議長が登場し、火曜はトリプル末(月末・四半期末・年度末)、水曜にISM製造業・ADP・小売売上高の3連発、そして金曜のグッドフライデーに雇用統計が飛んでくるという異例の構成です。

世界中のアナリストの分析をAIと一緒に集めて、通貨別の方向性を整理してみました。

📊 今週の指標カード一覧
※金曜(4/3)はグッドフライデーで日本以外のほとんどの国が休場(米国は株式市場・商品市場は休場、債券市場は短縮取引)。週明け4/6もイースターマンデーで日本・米国以外の多くの国が休場
発表   指標名 重要度 前回値 予想
── 月曜(3/30)──
8:50 日 日銀金融政策決定会合・主な意見(3/18-19開催分)
21:00 独 消費者物価指数【速報値】(前年比) +1.9% +2.7%
── 火曜(3/31)── ★月末・四半期末・年度末
8:30 日 東京都区部消費者物価指数【除生鮮】 +1.8% +1.8%
9:30 豪 RBA議事録公表(3/17開催分)
15:00 英 第4四半期GDP【改定値】(前期比) +0.1% +0.1%
18:00 欧 消費者物価指数【速報値】(前年比) +1.9% +2.6%
18:00 欧 ├ コアCPI(前年比) +2.4% +2.4%
21:30 加 GDP(前月比) +0.2% ±0.0%
23:00 米 消費者信頼感指数 AA 91.2 88.0
23:00 米 JOLTS求人 A 694.6万件 689.0万件
── 水曜(4/1)── ★月初め・四半期初め・年度初め
8:50 日 第1四半期日銀短観(大企業製造業業況判断) +15 +16
21:15 米 ADP雇用統計 AA +6.3万人 +4.0万人
21:30 米 小売売上高 S -0.2% +0.4%
21:30 米 ├ 小売売上高【除自動車】 S ±0.0% +0.3%
23:00 米 ISM製造業景況指数 S 52.4 52.3
── 木曜(4/2)──
9:30 豪 貿易収支 +26.31億 +25.75億
21:30 米 新規失業保険申請件数 A 21.0万件 21.2万件
── 金曜(4/3)── ★グッドフライデー(日本以外ほぼ休場)
21:30 米 雇用統計:非農業部門雇用者数 SS -9.2万人 +5.5万人
21:30 米 ├ 失業率 SS 4.4% 4.4%
21:30 米 ├ 製造業雇用者数 SS -1.2万人 未発表
21:30 米 ├ 平均時給(前月比) SS +0.4% +0.3%
21:30 米 └ 平均時給(前年比) SS +3.8% +3.7%

※重要度は羊飼いのFXブログの指標ランクを参考に表記(一部、テキスト強調から推定)
※コンセンサスはTrading Economics、kissfx.com等から取得
※A以下の米国指標・○以下のその他指標は省略

🎤 今週の要人発言カレンダー
注目度 発言者 予定(JST) 注目ポイント
★★★ パウエルFRB議長(討論会) 3/30(月)23:30 利上げ観測への言及、2月NFP-9.2万人への評価に注目
★★ ウィリアムズNY連銀総裁(投票権あり) 3/30(月)29:00 FRBのナンバー3、政策方針を左右
★★ ボウマンFRB副議長(投票権あり) 4/1(水)6:10 新任副議長、金融規制・利上げ姿勢
★★ バーFRB理事(投票権あり)×2回 3/31(火)28:00・4/1(水)22:10 金融規制について、2日連続登場
グールズビー・シカゴ連銀総裁(投票権なし) 3/31(火)25:00 ハト派寄り、利上げ反対論に注目
ムサレム・セントルイス連銀総裁(投票権なし) 4/1(水)22:05 経済見通し
発言の注目度ランクについて
★★★ = 中央銀行トップ(FRB議長、ECB総裁、BOJ総裁、BOE総裁)。発言だけで相場が動くレベル
★★ = FRB副議長、投票権ありの地区連銀総裁、中銀総裁クラス。政策に直接影響力がある人
★ = 投票権なしの地区連銀総裁、その他の中銀メンバー。参考程度だがチェック推奨
※発言の時間は変更される場合があります

🤖 AIが気になった今週のニュース
🔴 地政学リスク → USD↑ JPY↓ EUR↓

イラン情勢:トランプの期限は4月7日に延長
トランプ大統領がイランへの電力施設攻撃の期限を4月7日まで延長しました。ホルムズ海峡は依然として通航量が大幅に減少しており、ブレント原油は$98〜$112の間で乱高下しています。イランは米国の15項目の停戦案を拒否しており、交渉の行方は不透明。ゴールドマン・サックスは正常化シナリオでは原油は年後半に下がると見る一方、海峡封鎖が長期化すれば原油は一段高の可能性も。今週金曜の雇用統計とイラン期限(4/6)が重なるため、週末のリスクが非常に高い週です。

🟡 要人発言 → USD方向性に直結

パウエル議長登場+FRB高官ラッシュ
月曜にパウエルFRB議長が討論会に登場します。先週のFOMCで金利を3.50〜3.75%に据え置いたものの、ドットプロットでは「利下げしない」方向への移動が明確でした。CME FedWatchでは年内据え置きが約75%、なんと「利上げしてもいい」の確率が50%を超えてきています。2月のNFPが-9.2万人だったことへの評価がカギで、「一時的な弱さ」と言えばドル買い、「景気悪化の兆し」と言えばドル売りに。

🟠 前週の余波 → 各通貨にまだ影響が残る

世界中の中銀がタカ派に転換、利上げ観測が急浮上
先々週(3/16〜19)のFOMC・RBA・BOJ・ECB・BOEを消化して、市場の景色が一変しました。RBAは利上げを実施、ECBは2026年のインフレ見通しを上方修正、BOEは利上げの可能性すら意識されています。OECDがG20のインフレ見通しを+4.0%に上方修正するなど、「利下げの時代は終わった」ムードが広がっています。

🟢 原油・ゴールド → 原油高続く、金は調整中

原油$100前後で高止まり、金は高値から15%下落
WTI原油は$101、ブレントは$112前後。ホルムズ海峡の通航制限が続く限り、原油の下支えは強いまま。一方ゴールドは$4,493と、1月の史上最高値$5,595から約20%下落しています。「利上げ観測+ドル高」で金利の付かないゴールドが売られた形ですが、$4,350付近で買いが入り始めており、底打ちの兆しも。今週のパウエル発言とNFPでゴールドの方向が決まりそうです。

🌍 今週の通貨別見通し

海外アナリスト(ING Think、CSFX、DailyForex、ActionForex、Danske Markets)と、羊飼いのFXブログの取材記事(竹内のりひろ氏・神田卓也氏・志摩力男氏)の見解をミックスして整理しました。

米 USD 米ドル↑ やや強気
有事のドル買い+利上げ観測という二重の追い風。CME FedWatchで利上げ確率が50%を超えてきており、ドルは崩れにくい。DXYは100〜101台。ただしNFPが弱ければ「景気悪いのにインフレだけ高い」パターン(いわゆるスタグフレーション)が意識され、ドルの方向性が一変する可能性も。CSFX(Capital Street FX)は「ドルの安全資産としての買いは構造的だが、上値も限定的」と分析。
CSFX / CME FedWatch / ING Think
日 JPY 日本円↓ 弱含み
USDJPYは先週160.41円まで上昇し、2024年の為替介入水準に接近中。竹内のりひろ氏は「162円台乗せの可能性を排除しない。USDJPYは158〜163円」と強気の見通し。神田卓也氏は「160円を超えれば上昇加速」と指摘しつつ、介入期待は高まっているものの当局のけん制トーンは低いと見ています。ING Thinkは「160円は介入領域だが、ドル高が続く限り一時的な効果にとどまる」と分析。
竹内のりひろ / 神田卓也 / ING Think
欧 EUR ユーロ→ 中立(やや弱)
EURUSDは1.15付近。ECBが「利上げしてもいい」方向に転換しつつあり、Danske Marketsは「4月と6月にそれぞれ25bp利上げ」を予想。これはユーロにとってプラス材料。しかし、エネルギー価格の直撃を食らっている点は変わらず、3月の欧州サービス業PMIが50.1まで低下。火曜の欧州CPI速報値が+2.6%予想と急上昇しており、「景気が悪いのに物価だけ上がる」パターンへの懸念が残ります。
Danske Markets / ActionForex / ING Think
英 GBP ポンド↓ やや弱気
GBPUSDは1.3240付近で4日続落中。FXStreetは「下降チャネル内の推移でRSIも50割れ、売り方向が優勢」と分析。BOEがタカ派に転じて利上げ観測も出ていますが、英国経済自体が弱いため、利上げは経済をさらに圧迫するリスクがあります。竹内のりひろ氏のレンジ想定ではEURUSDが1.13〜1.16で、ポンドも対ドルで下方向のリスクが大きい環境。
FXStreet / 竹内のりひろ / ActionForex
豪 AUD 豪ドル→ 中立
AUDUSDは0.687付近。RBAが3月に利上げを実施し、ING Thinkは「5月にも追加利上げ」を予想しています。豪州は資源輸出国なので原油高の恩恵を受ける側面がある一方、NZはエネルギー輸入国で逆風を受けているため、AUDとNZDの差が開いています。火曜のRBA議事録で利上げの背景が明らかになれば、豪ドルの方向性がはっきりしそうです。
ING Think / DailyForex
🥇 GOLD ゴールド↓ 調整中(底打ち模索)
$4,493で3週連続の下落、1月の最高値$5,595から約20%の調整。「利上げ観測+ドル高」で金利の付かないゴールドが売られました。ただし$4,350付近で買いが入り始めています。JPモルガンは2026年平均$4,753、UBSは$5,000を目標に据えており、大手は「調整は一時的」との見方。今週のNFPが弱ければ利上げ観測が後退しゴールドは反発、強ければもう一段の下落リスクがあります。
FX Leaders / Goldman Sachs / JPMorgan / UBS

📚 最重要指標ピックアップ:金曜の雇用統計は「薄商いの罠」に注意

今週の最大の注目は、金曜に発表される3月の米雇用統計(NFP)です。しかし、普段のNFPとは決定的に違う点があります。

4月3日はグッドフライデーで、米国の株式市場・商品市場は休場です。NFPは21:30(JST)に発表されますが、株も為替もほとんどの市場が閉まっている中での発表になります。つまり、普段よりはるかに薄い流動性の中でFX市場だけが反応するため、通常以上に大きく振れる可能性があります。

さらに厄介なのがタイミング。週末の4月6日はトランプ大統領がイランに設定した攻撃期限です。NFPの結果+イラン情勢を同時に消化する月曜日(4/7)の東京市場オープンは、2026年で最も荒れるかもしれません。

2月のNFPは-9.2万人と大幅なマイナスでした。3月の市場予想は+5.5万人で「マイナスからの回復」が見込まれていますが、ここが割れると「雇用は悪化しているのにインフレだけ加速」という最悪のシナリオ(スタグフレーション)が現実味を帯びます。

💡 読者のみなさんへ:金曜21:30のNFP発表は、薄商いで通常以上に動きます。「プラスかマイナスか」だけで今後の方向感が大きく変わります。ポジションを持っている方は週末リスクへの備えを。

🤖 はかせがAIに聞いてみた

今週の各アナリストの分析と直近のニュースをAIに読み込ませて、総合判断を聞いてみました。

🤖 AI総合判断
今週の通貨強弱ランキング(予想)
USD
AUD
EUR
GBP
JPY
🥇 GOLD:↓ 調整局面。NFPが弱ければ反発の可能性、強ければ$4,350を試す展開。週末リスクに注意。
最も強そうなのはUSD。有事のドル買い+利上げ観測という二重の追い風を受けています。CME FedWatchで利上げ確率が50%を超えてきた異常事態で、他通貨に対するドルの優位は崩れにくい状況です。
最も弱そうなのはJPY。USDJPYが160円台に乗せ、2024年の介入水準に接近中。日銀は動けず、エネルギー輸入コストは膨らむ一方。為替介入への警戒はあるものの、介入があっても一時的な効果にとどまる可能性が高いとアナリストは見ています。
AUDは相対的に底堅い。RBA利上げ実施+資源輸出国という強みで、エネルギーショックの被害が他通貨より小さい。ただし中国の景気減速リスクには注意。
📅 曜日別の注意ポイント
月(3/30)パウエルFRB議長の討論会(23:30)。利上げ示唆ならドル急騰、景気懸念ならドル売り。日銀主な意見(8:50)も。
火(3/31)トリプル末(月末・四半期末・年度末)。東京CPI(8:30)→欧州CPI(18:00)→消費者信頼感+JOLTS(23:00)。特殊な資金フローに要注意。
水(4/1)今週の指標ラッシュ日。日銀短観(8:50)→ADP雇用統計(21:15)→小売売上高(21:30)→ISM製造業(23:00)。この日の結果でNFPへの期待値が決まる。
木(4/2)比較的静かな日。失業保険申請件数(21:30)。NFP前最後の調整日。
金(4/3)⚠️ グッドフライデー。雇用統計(21:30)が薄商いの中で発表。翌日のイラン期限(4/6)を挟むため、週末リスクが最大級。
最注目イベント:金曜21:30の米雇用統計。プラス→ドル買い継続、マイナス→スタグフレーション懸念でドル売りに転換の可能性。ただし薄商いで動きが増幅されるので注意。
おすすめ監視ペア:USDJPY(介入水準接近+雇用統計で最も動きやすい)、XAUUSD(NFP次第で方向が決まる)、AUDUSD(RBA利上げの恩恵 vs ドル高)、EURJPY(弱×弱だがトリプル末で方向が出やすい)

📝 まとめ

今週はパウエルFRB議長の討論会(月曜)トリプル末(火曜)ISM・ADP・小売の3連発(水曜)、そしてグッドフライデーに雇用統計(金曜)という4つの軸で相場が動きます。加えてイランとの停戦交渉の期限が4月6日に控えており、週末リスクが極めて高い週です。USD強・JPY弱の基本構図は変わりませんが、NFPの結果次第では一気にシナリオが変わります。

▶ 来週の注目:4月6日はイースターマンデー+トランプのイラン期限。4月8日にはRBNZ(NZ中銀)の政策金利発表があり、利上げ判断に注目が集まります。次回は「NFP結果の影響分析」を中心にお届けする予定です。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いいたします。
※指標の重要度ランクは羊飼いのFXブログ(kissfx.com)の指標ランクを参考にしています。一部のランクはテキスト強調から推定しています。

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