【4/6〜の週】CPI×原油ショック、通貨別にAI&プロの見通しまとめ

今週は「戦争インフレの初めての審判」が下される週です。月曜はイースターマンデーで薄商いスタート、火曜にトランプ大統領の「イラン攻撃2週間停止」でリスクオンに転換、そして木曜にPCE+GDP同時発表、金曜に米CPI(前年比+3.4%予想)という超弩級の指標ラッシュ。FOMC議事録も水曜に控えており、FRBの本音が試される1週間です。

世界中のアナリストの分析をAIと一緒に集めて、通貨別の方向性を整理してみました。

📊 今週の指標カード一覧
※月曜(4/6)はイースターマンデーで日本・米国以外のほぼ全国が休場。火曜(4/7)は香港・中国が振替休日
発表   指標名 重要度 前回値 予想
── 月曜(4/6)── ★イースターマンデー(薄商い)
23:00 米 ISM非製造業景況指数 S 56.1 55.0
── 火曜(4/7)──
21:30 米 耐久財受注 A ±0.0% -1.0%
21:30 米 ├ 耐久財受注【除輸送用機器】 A +0.4% +0.4%
26:00 米 3年債入札 A 未取得 580億ドル
── 水曜(4/8)── ★RBNZ+FOMC議事録
11:00 NZ RBNZ政策金利&声明発表 2.25% 2.25%据置
17:30 英 建設業PMI 44.5 43.5
26:00 米 10年債入札 AA 未取得 390億ドル
27:00 米 FOMC議事録公表(3/17-18開催分) S
── 木曜(4/9)── ★PCE+GDP+雇用 同時発表
21:30 米 新規失業保険申請件数 AA 20.2万件 21.0万件
21:30 米 個人所得 S +0.4% +0.3%
21:30 米 個人支出 S +0.4% +0.5%
21:30 米 PCEデフレーター(前年比) S +2.8% +2.8%
21:30 米 ├ PCEコア(前月比) S +0.4% +0.4%
21:30 米 ├ PCEコア(前年比) S +3.1% +3.0%
21:30 米 第4四半期GDP【確報値】 AA +0.7% +0.7%
26:00 米 30年債入札 S 未取得 220億ドル
── 金曜(4/10)── ★★米CPI発表日
10:30 中 消費者物価指数 +1.3% +1.2%
10:30 中 生産者物価指数 -0.9% +0.5%
21:30 加 雇用統計(失業率) 6.7% 6.8%
21:30 加 ├ 雇用ネット変化 -8.39万人 +1.25万人
21:30 米 消費者物価指数CPI(前月比) SS +0.3% +1.0%
21:30 米 ├ CPI(前年比) SS +2.4% +3.4%
21:30 米 ├ コアCPI(前月比) SS +0.2% +0.3%
21:30 米 └ コアCPI(前年比) SS +2.5% +2.7%
23:00 米 ミシガン大学消費者信頼感指数【速報値】 AA 53.3 52.0

※重要度は羊飼いのFXブログの指標ランクを参考に表記
※コンセンサスはTrading Economics、kissfx.com等から取得
※A以下の米国指標・○以下のその他指標は省略

🎤 今週の要人発言カレンダー
注目度 発言者 予定(JST) 注目ポイント
★★★ ブレマンRBNZ総裁(記者会見) 4/8(水)12:00 政策金利据え置き後の記者会見。利上げ議論の有無に注目
★★★ シュレーゲルSNB総裁 4/9(木)17:00 スイスフラン政策・エネルギー高のインフレ影響
★★ ジェファーソンFRB副議長(投票権あり) 4/8(水)6:50 FRBナンバー2、利上げ・利下げどちらの姿勢か
★★ ウォラーFRB理事(投票権あり) 4/8(水)27:35 FOMC議事録公表直後の発言。タカ派として知られる
グールズビー・シカゴ連銀総裁(投票権なし) 4/7(火)25:35 ハト派寄り。利上げ反対論に注目
発言の注目度ランクについて
★★★ = 中央銀行トップ(FRB議長、ECB総裁、BOJ総裁、BOE総裁、RBA総裁、RBNZ総裁、SNB総裁、BOC総裁)。発言だけで相場が動くレベル
★★ = FRB副議長、投票権ありの地区連銀総裁、中銀総裁クラス。政策に直接影響力がある人
★ = 投票権なしの地区連銀総裁、その他の中銀メンバー。参考程度だがチェック推奨
※発言の時間は変更される場合があります

🤖 AIが気になった今週のニュース
🔴 地政学リスク → リスクオン転換の兆し

トランプ「イラン攻撃2週間停止」でリスクオン転換
4月7日、トランプ大統領がイランへの攻撃を2週間停止すると発表。「2週間あれば合意は成立するだろう」と発言し、イスラマバードで追加協議が予定されています。ホルムズ海峡はまだ完全再開していませんが、市場はリスクオンに転換。日経平均は2,300円上昇、ドルは反落し、ユーロは1.17まで急騰しました。ただしイランは10項目の停戦条件(米軍撤退・全制裁解除・凍結資産返還等)を提示しており、交渉は簡単ではありません。

🟡 要人発言 → FOMC議事録+FRB高官

水曜のFOMC議事録が「利上げ議論」の有無を明かす
3月17-18日のFOMC会合では金利据え置きでしたが、ドットプロットで「利下げしない」方向への移動が明確でした。CME FedWatchでは次回据え置き確率が95%、年後半の利上げ確率が52%に到達するという異常事態。水曜27:00の議事録で「利上げの議論があったかどうか」がカギで、利上げ議論があればドル急騰、なければ「まだ様子見」でドルは横ばい。直後にウォラーFRB理事(タカ派として知られる)の発言もあり、FOMC議事録の解釈が即座に示されます。

🟠 前週の余波 → 雇用統計ショック+関税強化

NFP+5.5万人(回復)+トランプ関税倍増
先週金曜のグッドフライデーに発表されたNFPは+5.5万人で、2月の-9.2万人から回復。ただし薄商いの中での発表で消化しきれていません。さらに4月2日に「解放記念日」としてトランプが関税を大幅強化。医薬品に100%、鉄鋼・アルミ・銅に50%の関税を発表。これらのコスト上昇が金曜のCPIにどこまで反映されるかが焦点です。

🟢 原油・ゴールド → 停戦で原油下落、金は底堅い

ブレント$110前後、ゴールドは$4,660で底堅い
トランプの2週間停戦発表で原油は一時下落しましたが、ホルムズ海峡の完全再開は見通せず$110前後で推移。ゴールドは$4,660付近で、1月の最高値$5,595から調整したものの底堅い。UBSは現在価格からさらに20%上昇余地ありとし、ゴールドマン・サックスは年末目標を$5,400に引き上げています。JPモルガンも2026年平均$4,753を予想。

🌍 今週の通貨別見通し

海外アナリスト(ING Think、FOREX.com、FXStreet、ActionForex、Danske Markets)と、羊飼いのFXブログの取材記事(竹内のりひろ氏・小林芳彦氏・志摩力男氏・西原宏一氏)の見解をミックスして整理しました。

米 USD 米ドル↑ やや強気
停戦報道で一時ドル売りが進みましたが、金曜のCPI前年比+3.4%予想(前回+2.4%)が意識されドルは崩れにくい環境。CME FedWatchで利上げ確率52%という異常事態で、CPI上振れなら利上げ観測がさらに強まります。CSFX(Capital Street FX)は「ドルの安全資産需要は構造的」と分析。一方ING ThinkのChris Turner氏は中期的にはドル安方向を予想。短期と中期で見方が分かれています。
CSFX / ING Think / CME FedWatch
日 JPY 日本円↓ 弱含み
停戦報道でUSDJPYは158円台ミドルまで下落しましたが、エネルギー輸入コストの重荷は変わらず。竹内のりひろ氏は「押し目は引き続き買い場」とし、158〜161.50円のレンジを予想。小林芳彦氏も158〜162.45円で押し目買いスタンス。ING Thinkは「160円は介入領域だがドル高が続く限り効果は一時的」と分析。BofAの調査では2026年最良通貨に円が選ばれていますが、それは中期の話で、短期はまだ弱い環境です。
竹内のりひろ / 小林芳彦 / ING Think
欧 EUR ユーロ→ 中立(やや強)
停戦報道で1.17まで急騰。ECBが「利上げしてもいい」方向に転換しつつあり、Danske Marketsは「4月と6月にそれぞれ25bp利上げ」を予想。ActionForexも「ECBは預金金利2.50%へ」と見ています。西原宏一氏はユーロ円の押し目買いで190円を目指す戦略。ただし独CPI+2.7%(前月+1.9%)と急上昇しており、「景気が悪いのに物価だけ上がる」パターンへの懸念も。ING Thinkは年末EUR/USD 1.17〜1.20を目標。
Danske Markets / ActionForex / 西原宏一 / ING Think
英 GBP ポンド↓ やや弱気
GBPUSDは1.32付近で2週連続の下落。FXStreetは「表面的には堅調だが内部は脆弱」と分析。建設業PMIが44.5→43.5と予想され、英国経済の弱さが目立ちます。ING Thinkは年末GBP/USD 1.34を目標としていますが、短期的には地政学リスクと経済の弱さがポンドの重し。BofA調査でもポンドを推す声はわずか3%でした。
FXStreet / ING Think
豪 AUD 豪ドル↑ やや強気
停戦報道で0.7050超まで急伸。RBAのタカ派姿勢(ING Thinkは「5月にも追加利上げ」予想)と資源輸出国としてのメリットが豪ドルを支援。FXStreetは「100日SMA・200日SMAの上で推移し、中期上昇トレンドは健在」と分析。ActionForexも年間見通しでAUDをトップピックに挙げています。NZはRBNZ据え置きでハト派のためAUD/NZDの差が拡大中。
ING Think / FXStreet / ActionForex
NZ NZD NZドル→ 中立
水曜のRBNZは予想通り2.25%据え置き。中東情勢でインフレ見通しが悪化(Q2 CPI+4.2%予想)しているものの、利上げには踏み切らずハト派姿勢を維持。NZはエネルギー輸入国のため原油高が逆風で、豪ドルとの差が開いています。停戦報道で一時反発しましたが、AUDに比べると上昇幅は限定的。
FXStreet / ING Think
🥇 GOLD ゴールド→ 中立(レンジ)
$4,660付近で$4,600〜4,700のレンジ推移。停戦報道で一時売られましたが、中央銀行の継続的な金購入と地政学リスクのプレミアムが下支え。ゴールドマン・サックスは年末目標を$5,400に引き上げ、UBSは現在価格からさらに20%上昇余地ありとの見方。一方、ドル高と金利上昇が上値を抑えており、CPI次第で方向が決まりそうです。
Goldman Sachs / UBS / FX Leaders

📚 最重要指標ピックアップ:金曜の米CPIが「戦争インフレ」の正体を暴く

今週の最大の注目は、金曜に発表される3月の米消費者物価指数(CPI)です。市場予想は前年比+3.4%(前回+2.4%)と、たった1ヶ月で1.0ポイントもの急上昇が見込まれています。

なぜこんなに急上昇するのか?主犯はガソリン価格です。3月だけでガソリンは36.2%上昇し、4月に入っても毎日上がっています。ホルムズ海峡の通航制限で原油が$100超に張り付いている影響が、ついに消費者物価に表れました。

さらに厄介なのは関税の影響。トランプ大統領が4月2日に医薬品100%、鉄鋼アルミ銅50%の関税を発動しました。これらが3月のCPIに反映されるかは微妙ですが、今後の物価上昇圧力になることは確実です。

竹内のりひろ氏は「大幅に上振れした場合、2022年以来の大騒ぎになるかもしれない」と警告。コアCPI(前年比+2.7%予想、前回+2.5%)が+0.4%を超えた場合、FRBの利下げ期待は完全に消滅し、利上げが現実的な選択肢になります。

💡 読者のみなさんへ:金曜21:30の米CPI発表で「前年比+3.4%を超えたかどうか」を見てください。超えたらドル急騰、下回ったら「思ったほどインフレは加速してない」でドル売り。同時に加雇用統計も発表されるのでカナダドルにも注目です。

🤖 はかせがAIに聞いてみた

今週の各アナリストの分析と直近のニュースをAIに読み込ませて、総合判断を聞いてみました。

🤖 AI総合判断
今週の通貨強弱ランキング(予想)
USD
AUD
EUR
NZD
GBP
JPY
🥇 GOLD:→ レンジ($4,600-4,700)。CPI上振れなら利上げ観測でゴールド下押し、停戦進展なら地政学プレミアム剥落で下落。逆にCPI下振れ+停戦決裂なら急騰シナリオ。
最も強そうなのはUSD。金曜のCPI+3.4%予想が本当なら、FRBの利上げ議論が一気に現実味を帯びます。停戦報道で一時弱含みましたが、インフレデータが出れば再びドル買いが優勢になりそうです。
AUDが相対的に強い。RBAのタカ派姿勢+資源輸出国としてのメリット+停戦のリスクオンで0.7050超。ActionForexが年間トップピックに選んだ通貨です。
最も弱そうなのはJPY。停戦で一時的に円買いが入りましたが、エネルギー輸入コストの構造的な重荷は変わらず。介入警戒はあるものの、4名のアナリスト全員が押し目買いスタンスです。
📅 曜日別の注意ポイント
月(4/6)イースターマンデーで薄商い。ISM非製造業(23:00)のみ。結果54.0で予想下振れ、雇用指数45.2に急落。
火(4/7)トランプ「イラン2週間停止」でリスクオン転換。耐久財受注(21:30)。香港・中国休場。
水(4/8)RBNZ政策金利(11:00、据え置き)→ FOMC議事録(27:00)→ ウォラーFRB理事発言(27:35)。議事録で「利上げ議論」の有無がカギ。
木(4/9)⚠️ 超重量級。PCEデフレーター+GDP確報値+失業保険申請件数が21:30に同時発表。シュレーゲルSNB総裁発言(17:00)も。
金(4/10)⚠️ 今週最大の日。米CPI(21:30)+加雇用統計(21:30)+ミシガン大消費者信頼感(23:00)。CPI前年比+3.4%を超えるかどうかで全通貨の方向が決まる。
最注目イベント:金曜21:30の米CPI。前年比+3.4%超え→「戦争インフレ」確定でドル急騰・利上げ観測加速。下振れ→「一時的」の見方でドル売り・リスクオン継続。
おすすめ監視ペア:USDJPY(CPI次第で160円再挑戦 vs 停戦で158円割れ)、XAUUSD(CPI+停戦の綱引きで最も敏感)、AUDUSD(停戦恩恵+RBAタカ派で上昇トレンド)、EURJPY(ECB利上げ観測+リスクオンで190円挑戦)

📝 まとめ

今週はトランプのイラン攻撃2週間停止(火曜)でリスクオンに転換した一方、FOMC議事録(水曜)PCE+GDP同時発表(木曜)、そして米CPI前年比+3.4%予想(金曜)という「戦争インフレの初めての審判」が下される週です。停戦の進展がドル安・リスクオン方向に、CPIの上振れがドル高・利上げ方向にと、真逆の力が綱引きしている構図です。

▶ 来週の注目:停戦交渉の2週間期限が4月21日前後に到来。また4月14〜15日にはECB理事会が控えており、利上げ判断に注目。次回は「CPI結果の影響分析+ECBプレビュー」を中心にお届けする予定です。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いいたします。
※指標の重要度ランクは羊飼いのFXブログ(kissfx.com)の指標ランクを参考にしています。

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