【5/25〜の週】米PCEで利上げ観測再燃、ドル円160円攻防

今週は月末週。最大の山場は木曜(5/28)21:30に集中する米国の重要指標ラッシュです。FRBが最も重視するインフレ指標「PCEデフレーター」、第1四半期GDPの改定値、個人所得・支出、耐久財受注、新規失業保険申請が一気に発表されます。さらに水曜にはRBNZ(NZ中銀)の政策金利と豪州CPI、植田日銀総裁の発言、金曜には東京都区部CPIと日本の為替介入実績の公表が控え、ドル円は160円をはさんだ攻防が続いています。

世界中のアナリストの分析をAIと一緒に集めて、通貨別の方向性を整理してみました。

📊 今週の指標カード一覧
※月曜(5/25)は米国がメモリアルデー、英国がスプリングバンクホリデー、香港も祝日で休場。米英市場が休みのため週明けは動意が薄くなりやすく、本格的に動き出すのは火曜以降です。


発表   指標名 重要度 前回値 予想
── 月曜(5/25)──
── 火曜(5/26)──
23:00 米 消費者信頼感指数 AA 92.8 92.0
26:00 米 2年債入札 A 690億ドル
── 水曜(5/27)──
10:30 豪 消費者物価指数 +4.6% +4.4%
11:00 NZ RBNZ政策金利&声明発表 2.25% 据え置き 2.25%据え置き
26:00 米 5年債入札 A 700億ドル
未定 日 40年利付国債入札 未定
── 木曜(5/28)──
21:30 米 新規失業保険申請件数 AA 20.9万件 21.0万件
21:30 米 個人所得 S +0.6% +0.4%
21:30 米 個人支出 S +0.9% +0.5%
21:30 米 PCEデフレーター S +3.5% +3.8%
21:30 米 PCEコア・デフレーター [前月比/前年比] S +0.3% +0.3%
21:30 米 第1四半期GDP【改定値】 AA +2.0% +2.1%
21:30 米 個人消費【改定値】 AA +1.6% +1.7%
21:30 米 GDPデフレーター【改定値】 AA +3.6% +3.6%
21:30 米 コアPCEデフレーター【改定値】 AA +4.3% +4.3%
21:30 米 耐久財受注 A +0.8% +3.2%
21:30 米 耐久財受注【除輸送用機器】 A +0.9% +0.4%
23:00 米 新築住宅販売件数 A 68.2万件 66.0万件
26:00 米 7年債入札 A 440億ドル
── 金曜(5/29)──
08:30 日 東京都区部消費者物価指数 +1.5% +1.6%
08:30 日 東京都区部消費者物価指数【除生鮮】 +1.5% +1.5%
19:00 日 外国為替平衡操作実施状況の公表(4月28日~5月27日分の介入実績)
21:30 加 GDP[前月比/前年比] +0.2% +0.1%
21:30 加 第1四半期GDP -0.6% +1.5%

※重要度は羊飼いのFXブログ(kissfx.com)の指標ランクを参考に表記
※前回値・予想はTrading Economics、Investing.com、kissfx.com等から取得
※A以下の米国指標・○以下のその他指標、要人発言は下の専用ボックスにまとめています

🎤 今週の要人発言カレンダー
注目度 発言者 予定(JST) 注目ポイント
★★★ 植田日銀総裁 5/27(水)9:00 追加利上げに前向きな発言が出れば円買い。ドル円160円圏で発言だけに反応しやすい
★★★ ラガルドECB総裁 5/28(木)16:20 利上げ継続姿勢の有無に注目。ユーロの方向を左右
★★★ ベイリーBOE総裁 5/29(金)18:20 英国は政治混乱と国債利回り上昇が重し。ポンドの上下に直結
★★★ ブレマンRBNZ総裁(記者会見) 5/27(水)12:00 政策金利発表(11:00)直後の会見。次回7月利上げへの示唆に注目
★★★ シュレーゲルSNB総裁 5/28(木)20:00 スイスフランの方向に影響
★★ ジェファーソンFRB副議長(投票権あり) 5/28(木)9:00 FRBナンバー2。利上げ姿勢への言及に注目
★★ ボウマンFRB副議長(投票権あり) 5/29(金)22:10 PCE発表後の発言。インフレ評価に注目
★★ ウィリアムズNY連銀総裁(投票権あり) 5/28(木)21:55 FRBナンバー3、政策方針を左右
★★ カシュカリ・ミネアポリス/ローガン・ダラス連銀総裁(投票権あり) 5/27(水)9:20・17:00 ともに投票権あり。利上げ論への温度感をチェック
★★ クックFRB理事(投票権あり) 5/27(水)28:55 FRB理事の見解
グールズビー・ムサレム・バーキン・デイリー・シュミッド各連銀総裁(投票権なし)ほか 5/28(木)〜29(金) 投票権なし。参考程度だが利上げ論が割れているか確認
発言の注目度ランクについて
★★★ = 中央銀行トップ(FRB議長、ECB総裁、BOJ総裁、BOE総裁、RBNZ総裁、SNB総裁など)。発言だけで相場が動くレベル
★★ = FRB副議長、投票権ありの地区連銀総裁、中銀副総裁クラス。政策に直接影響力がある人
★ = 投票権なしの地区連銀総裁、その他の中銀メンバー。参考程度だがチェック推奨
※発言の時間は変更される場合があります

🤖 AIが気になった今週のニュース
🔴 地政学リスク → USD↑ JPY↓ CAD・原油に影響

米国とイランが和平交渉へ前進、攻撃は一旦見送り
トランプ大統領が予定していたイランへの攻撃を「交渉のため」一旦見送り、米国とイランは戦闘終結に向けた協議が前進していると伝わりました。これを受けて原油は大きく下落し、ブレント原油は1バレル=$103前後、WTIは$96前後まで値を下げています(週間でブレントは5%超、WTIは8%超の下落)。ただしイランの濃縮ウラン在庫や、原油の大動脈ホルムズ海峡の通航料をめぐっては依然として対立が残っており、交渉の行方は不透明。和平が進めばドルの安全資産買いが和らぎ、決裂すれば再び原油高・リスク回避に振れる展開で、今週も最重要テーマです。

🟡 要人発言 → USD・JPY・EURの方向性に直結

中銀トップが続々登場、植田・ラガルド・ベイリーが今週発言
水曜に植田日銀総裁、木曜にラガルドECB総裁、金曜にベイリーBOE総裁と、主要中銀のトップが相次いで登場します。さらにFRBからもジェファーソン副議長・ボウマン副議長・ウィリアムズNY連銀総裁ら投票権を持つメンバーが多数発言予定。米国はインフレがなかなか下がらず、FRBが「利下げしない」どころか「利上げしてもいい」寄りに傾いている状況で、発言のトーン次第でドルが大きく動きます。植田総裁が追加利上げに前向きな姿勢を見せれば、ドル円は円買い方向に振れる可能性があります。

🟠 前週の余波 → ドルと円にまだ影響が残る

ドルは2か月ぶりの強さのあと一服、ドル円は160円台で介入警戒
ドル指数(DXY)は2か月ぶりの強い週となったあと、98.8〜99.4のレンジで方向感を探っています。ドル円はいったん160円台に乗せ、2024年以来の介入水準に接近。ING Thinkによると、日本は4月末から5月初めにかけて約700億ドル規模の為替介入を実施したとされ、「160円が当局の防衛ライン」と見られています。今週金曜(5/29)19:00には日本の為替介入実績(4/28〜5/27分)が公表される予定で、実際にどれだけ介入したかが明らかになります。

🟢 原油・ゴールド → 原油は下落、金は方向感待ち

金は$4,500前後で一進一退、上抜けには$4,600超えが必要
ゴールドは1オンス=$4,500前後で推移し、週を通してほぼ横ばい。Kitco Newsによると、$4,500の支えがやや崩れかけており、上値を追うには$4,600超えが必要との見方です。プロ(ウォール街)のアナリストは13人中62%が下落予想と弱気な一方、個人投資家は56%が上昇予想と強気で、見方がきれいに割れています。金利の付かないゴールドにとっては「インフレ高止まり+ドル高+米金利上昇」が逆風ですが、中東情勢という安全資産としての支えもあり、綱引きが続いています。原油は前述のとおり米イラン和平交渉の進展で軟調です。

🌍 今週の通貨別見通し

海外アナリスト(ING Think、FOREX.com、FXStreet、ActionForex、Bloomberg/MUFG、Goldman Sachs)と、CME FedWatch・Kitco・外為どっとコムなどの見解をミックスして整理しました。

米 USD 米ドル↑ やや強気
インフレがなかなか下がらず、FRBの利上げ観測がじわじわ高まっているのがドルの支え。ActionForexは「直近のCPI・PPIが予想より強かったため、木曜のPCEも上振れリスクがある。強ければ年内の利上げ観測が強まりドルがさらに買われる」と分析。DXYは98.8〜99.4のレンジ。ただしFOREX.comは「足元はドル円が相場をけん引しており、ドル単体の上値は中東情勢次第で限定的」とも指摘しています。なお長い目で見るとGoldman SachsやMUFGは「2026年後半はドル安方向」と予想しており、足元の強さは短期的との見方が多数です。
ActionForex / FOREX.com / Goldman Sachs / CME FedWatch
日 JPY 日本円↓ やや弱気
ドル円は160円前後で、2024年以来の介入水準に接近。FOREX.comは「160円台では再びの介入観測がついて回る。植田総裁が利上げに前向きならドル円急落、慎重なら160円が試される」と両にらみ。日米の金利差が大きいうちは円が買われにくい状況が続きます。外為どっとコムの来週予想レンジは157.00〜160.50円で、米金利上昇を支えに崩れにくい展開を見込みつつ、金曜の東京CPIで一時的な円買いもあり得るとしています。160円超えは介入リスクが高く、上値も重い「両側に振れやすい」週です。
FOREX.com / ING Think / 外為どっとコム
欧 EUR ユーロ→ 中立(やや弱)
ユーロドルは中東情勢を受けたドル売りで1.1650付近まで戻していますが、その前は約6週間ぶりの安値をつけていました。Bloomberg/MUFGは「地政学リスク・高いエネルギー価格・弱い成長で、当面は不安定。リスク回避のときは下落しやすい」と慎重。一方でING Thinkは「ユーロドルの適正水準は1.15から1.20方向へ切り上がる」と中期では強気です。木曜のラガルドECB総裁の発言と、欧州のさえないPMIが上下材料。短期は方向が出にくい状況です。
Bloomberg/MUFG / ING Think / FXStreet
英 GBP ポンド↓ やや弱気
ポンドドルは1.3400の壁に挑む展開ですが、FXStreetは「英国の政治混乱、国債(ギルト)利回りの上昇、不安定な地政学環境で、ポンドは引き続き慎重に見られる」と指摘。利回り上昇は一見ポンド高材料に見えますが、財政不安が背景だと逆にポンド売り要因になります。金曜のベイリーBOE総裁の発言が方向を左右しそうです。
FXStreet / ActionForex
豪 AUD 豪ドル↑ やや強気
水曜の豪州CPI(予想+4.4%)がポイント。ActionForexは「3月の+4.6%から伸びは鈍るものの、RBA(豪中銀)の目標2〜3%を大きく上回る状況が続き、年内さらに70bp程度の追加利上げが見込まれている」と分析。物価高→利上げ連想で豪ドルは買われやすい地合いです。資源国通貨という強みもあり、主要通貨の中では相対的に強い部類。ただし中東・中国の景気次第ではリスクオフで売られる場面も。
ActionForex / ING Think
NZ NZD NZドル→ 中立
水曜11:00にRBNZ(NZ中銀)の政策金利発表。ActionForexによると今回は2.25%で据え置きの見方が優勢(据え置き確率は約75%)ですが、次回7月会合での利上げ確率は約80%まで高まっています。直後12:00のブレマン総裁の記者会見で、利上げに前向きなトーンが出るかが焦点。据え置き+タカ派(利上げ寄り)の会見ならNZドルは買われやすく、慎重なら売られやすい展開です。
ActionForex / RBNZ
🥇 GOLD ゴールド→ 中立(方向感待ち)
$4,500前後で一進一退。Kitco Newsによると、上値を追うには$4,600超えが必要で、$4,500の支えはやや崩れかけています。プロは弱気(13人中62%が下落予想)、個人は強気(56%が上昇予想)と見方が真っ二つ。「インフレ高止まり+ドル高+米金利上昇」という金利の付かないゴールドへの逆風と、中東情勢の安全資産買いが綱引きしています。木曜のPCE次第で、利上げ観測が強まればもう一段の下げ、和らげば反発という分かれ目になりそうです。
Kitco News / FXStreet

📚 最重要指標ピックアップ:木曜21:30の「米国データ一斉発表」が今週の山場

今週の最大の注目は、木曜(5/28)21:30に一斉に発表される米国の重要指標です。1つの時刻にこれだけ重なるのは珍しく、相場が大きく動きやすいタイミングです。

特に重要なのがPCEデフレーター(個人消費支出物価指数)。これはFRBがインフレを判断するときに最も重視している物価指標で、市場予想は前年比+3.8%(前回+3.5%)、変動の大きい食品・エネルギーを除いたコアの前月比は+0.3%予想です。FRBが目標とする2%を大きく上回ったままで、なかなか下がりません。

同じ21:30に、第1四半期GDPの改定値(予想+2.1%、前回+2.0%)、個人所得・支出、耐久財受注、新規失業保険申請件数もまとめて出ます。ActionForexは「先に出たCPI・PPIが予想より強かったので、PCEも上振れする可能性がある」と見ています。

なぜ重要かというと、ここでインフレが予想より強い+景気もしっかりだと、「FRBは年内に利上げするかもしれない」という見方が強まり、ドル買い・ドル円160円超えを試す流れになりやすいからです。逆に予想より弱ければ、ドルのもうけ過ぎ調整が入り、ドル円は157円台前半へ押し戻される可能性があります。

💡 読者のみなさんへ:今週はここだけ見ればOK、というのが木曜21:30のPCEです。予想(コア前月比+0.3%)より強いか弱いかで、ドル円が160円を超えにいくか、157円台に戻るかが大きく変わります。発表前後はスプレッドが広がりやすいので、エントリーのタイミングにご注意を。

🤖 はかせがAIに聞いてみた

今週の各アナリストの分析と直近のニュースをAIに読み込ませて、総合判断を聞いてみました。

🤖 AI総合判断
今週の通貨強弱ランキング(予想)
USD
AUD
EUR
GBP
JPY
🥇 GOLD:→ 方向感待ち。$4,500を挟んだ攻防。木曜PCEが強ければ$4,500割れ、弱ければ$4,600トライ。プロと個人で見方が真っ二つ。
最も強そうなのはUSDとAUD。USDはインフレが下がらず利上げ観測がじわじわ高まっているのが支え。AUDは水曜のCPI高止まりで利上げ連想が働き、資源国通貨という強みもあります。どちらも「金利が上がる(上がりそう)」という共通の追い風です。
最も弱そうなのはJPY。ドル円は160円前後で、日米の金利差が大きいうちは円が買われにくい状況。ただし160円超えは為替介入のリスクが高く、植田総裁の発言や金曜の介入実績公表でいつ円高に振れてもおかしくありません。「弱いけれど上値も重い」、扱いの難しい通貨です。
EURとGBPは中立〜やや弱。ユーロは中東情勢のドル売りで戻していますが、成長の弱さとエネルギー価格が重し。ポンドは英国の政治混乱と財政不安(国債利回り上昇)が引き続きマイナス材料です。
📅 曜日別の注意ポイント
月(5/25)米英が休場(メモリアルデー・スプリングバンクホリデー)。流動性が薄く、動意は限定的。週の方向感が出るのは火曜以降。
火(5/26)米消費者信頼感指数(23:00)。先行指標として木曜の流れを占う。予想92.0(前回92.8)。
水(5/27)豪CPI(10:30)→RBNZ政策金利(11:00)→ブレマン総裁会見(12:00)。早朝〜昼にオセアニア通貨が動く。植田日銀総裁の発言(9:00)も。
木(5/28)⚠️ 今週の本命。21:30に米PCE・GDP改定値・個人所得支出・耐久財・失業保険が一斉発表。ラガルドECB総裁(16:20)も。最も荒れやすい日。
金(5/29)東京都区部CPI(8:30)で一時的な円買いも。19:00に日本の為替介入実績公表、ベイリーBOE総裁(18:20)、加GDP(21:30)。月末のフローにも注意。
最注目イベント:木曜21:30の米PCE。予想より強ければ利上げ観測が強まりドル買い・ドル円160円超えトライ、弱ければドルの調整で157円台へ。1つの数字で週の後半の方向が決まります。
おすすめ監視ペア:USDJPY(160円の介入水準+PCEで最も動きやすい)、AUDUSD(CPI+RBNZ周辺で動意)、NZDUSD(RBNZ会見で上下)、XAUUSD(ゴールド、PCE次第で方向が決まる)

📝 まとめ

今週は月末週で、最大の山場は木曜(5/28)21:30の米国データ一斉発表(PCE・GDP改定値ほか)。加えて水曜の豪CPI・RBNZ・植田総裁発言金曜の東京CPI・為替介入実績公表と、通貨ごとにイベントが詰まっています。米国のインフレが下がらず利上げ観測がくすぶる中、ドルは堅調・円は弱めですが、ドル円は160円超えで介入リスクが高く、上にも下にも振れやすい難しい週です。米イランの和平交渉と原油の動きも引き続き要チェック。

▶ 来週の注目:翌週(6/1〜)は月初恒例の米ISM製造業景況指数、そして金曜には今月の米雇用統計(NFP)が控えます。今週のPCEと合わせて「FRBは本当に利上げに動くのか」を占う重要な2週間になります。次回は「PCEの結果+雇用統計プレビュー」を中心にお届けする予定です。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いいたします。
※指標の重要度ランクは羊飼いのFXブログ(kissfx.com)の指標ランクを参考にしています。

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