【9/21〜の週】連休の円は介入か159円か、PMI速報+FRB高官ラッシュ

今週は中央銀行が3つ続けて出てくる週です。水曜27:00に米FOMC(金利・経済見通し・ウォーシュ議長会見)、木曜20:00に英BOE、そして金曜の正午前後に日銀。しかも日銀は25bpの利上げが予想されていて、決まれば政策金利は1.25%と数十年ぶりの高さになります。

金曜のドル円は153円台。8月末に156円台だったところから1週間で4円近く円高に振れており、「円高のスピード」そのものが今週のテーマです。

世界中のアナリストの分析をAIと一緒に集めて、通貨別の方向性を整理してみました。

📊 今週の指標カード一覧
※今週は主要国に休場はありません。来週は9/21(月)敬老の日・9/22(火)国民の休日・9/23(水)秋分の日で日本が3営業日休みになります。日銀会合の直後にこの空白が来るので、金曜の持ち越しは普段より重くなります


発表   指標名 重要度 前回値 予想
── 月曜(9/14)──
21:30 加 消費者物価指数[前月比/前年比] ◎ +0.5% ±0.0%
── 火曜(9/15)──
12:35 日 20年利付国債入札 ◎ − −
15:00 英 失業率 ◎ 4.3% −
15:00 英 失業保険申請件数 ◎ -1.10万件 −
21:30 米 NY連銀製造業景気指数 A +20.6 +14.4
26:00 米 20年債入札 AA − 130億ドル
── 水曜(9/16)──
07:45 NZ 第2四半期GDP [前期比/前年比] ◎ +0.8% +0.1%
15:00 英 消費者物価指数[前月比/前年比] ◎ +0.3% +0.5%
15:00 英 消費者物価指数【コア】[前年比] ◎ +2.6% +2.7%
21:30 米 小売売上高 S -0.6% +0.9%
21:30 米 小売売上高【除自動車】 S -0.3% +0.6%
27:00 米 FOMC政策金利&声明発表 SS 3.75% 据え置き 3.75% 据え置き
27:00 米 FOMCメンバーによる金利・経済見通し(SEP)発表 SS − −
── 木曜(9/17)──
07:45 NZ 第2四半期GDP [前期比/前年比] ◎ +0.8% +0.1%
20:00 英 BOE政策金利&声明発表 ◎ 3.75% 据え置き 3.75% 据え置き
20:00 英 BOE議事録公表 ◎ − −
21:30 米 新規失業保険申請件数 AA 20.6万件 20.6万件
21:30 米 住宅着工件数 A 123.9万件 131.8万件
21:30 米 建設許可件数 A 144.3万件 141.0万件
21:30 米 フィラデルフィア連銀景況指数 A +47.4 +32.8
23:00 米 中古住宅販売保留[前月比/前年比] A -2.3% ±0.0%
26:00 米 10年インフレ連動債(TIPS)入札 AA − 190億ドル
── 金曜(9/18)──
08:30 日 全国消費者物価指数 ◎ +1.9% +2.0%
08:30 日 全国消費者物価指数【除生鮮】 ◎ +1.8% +1.8%
15:00 英 小売売上高[前月比/前年比] ◎ -0.5% -0.2%
15:00 英 小売売上高【除自動車】 [前月比/前年比] ◎ -0.9% -0.1%
22:15 米 鉱工業生産 A +0.2% +0.3%
23:00 米 景気先行指数 A +0.2% +0.2%
未定 日 BOJ政策金利&声明発表 ◎ 1.00% 据え置き 25bp 利上げ 1.25%

※重要度・前回値・予想は羊飼いのFXブログ(kissfx.com)の掲載値をそのまま転記しています(並び順は曜日ごとの時刻順で自動生成)
※水曜の欄にあるNZ第2四半期GDPは実際には木曜07:45の指標です。kissfx.comが前日ページにも「翌07:45」として載せているため2回出ています
※水曜27:00のFOMCは表の予想欄が「3.75% 据え置き」ですが、CME FedWatchでは9/12時点で0.25%利上げの確率が85.5%、金曜のCPI後は約90%まで上がっています。この食い違いは⑤で詳しく説明します
※要人発言(ウォーシュ議長会見・植田総裁会見・ラガルド総裁・ブロック総裁・ボウマン副議長)は下の発言カレンダーにまとめています

🎤 今週の要人発言カレンダー
注目度 発言者 予定(JST) 注目ポイント
★★★ ウォーシュFRB議長(FOMC後 記者会見) 9/16(水)27:30 今週の最重要。利上げが「保険で1回だけ」なのか「連続の入口」なのか。8月ジャクソンホールでの発言が9月利上げ観測の出発点
★★★ 植田日銀総裁(会合後 記者会見) 9/18(金)15:30 利上げ自体はほぼ市場に入っている。次の利上げまでの間隔をどう語るかで円の反応が正反対になる
★★★ ラガルドECB総裁 9/14(月)24:15 9/10の利上げを「考えるまでもない判断」と表現した直後。10月・12月の追加についてどこまで踏み込むか
★★★ ブロックRBA総裁 9/18(金)08:30 豪州は11月までの利上げがほぼ入っている状態。総裁がそれを追認するか、慎重に引き戻すか
★★ ボウマンFRB副議長(投票権あり) 9/18(金)22:30 FOMC後の最初のFRB高官。会見で足りなかった説明を補いに来る位置
発言の注目度ランクについて
★★★ = 中央銀行トップ(FRB議長、ECB総裁、BOJ総裁、BOE総裁、RBA総裁)。発言だけで相場が動くレベル
★★ = FRB副議長、投票権ありの地区連銀総裁、中銀副総裁クラス。政策に直接影響力がある人
★ = 投票権なしの地区連銀総裁、その他の中銀メンバー。参考程度だがチェック推奨
※FRBは9/5〜9/17がブラックアウト期間(FOMC前に高官が発言を控える決まり)です。そのため水曜の会見までFRBからの発信はゼロ、金曜のボウマン副議長が解禁後の第一声になります
※BOEは木曜20:00に声明と議事録が同時に出ます(今回は総裁会見の予定なし)
※発言の時間は変更される場合があります

🤖 AIが気になった今週のニュース
🟡 要人発言予定 → USD・JPY・EURに直結

中銀トップが4人、3日間に集中する
月曜24:15のラガルドECB総裁から始まって、水曜27:30ウォーシュFRB議長、金曜08:30ブロックRBA総裁、金曜15:30植田日銀総裁と、中銀トップの発言が立て続けに来ます。しかもFRBは9/5〜9/17がブラックアウトなので、水曜の会見まで米当局からの発信が一切ありません。情報が水曜27:30に一点集中する構造で、それまでは市場が自分の想像で値を付けることになります。当ブログのこれまでの検証でも、こうした「中銀トップの檜舞台」がある週は、予定されている経済指標より講演・会見のほうが週の方向を決めてきました。金曜22:30のボウマンFRB副議長(投票権あり)は、会見で言い足りなかった部分を補正しに来る位置なので、週末前の最後の振れ要因になります。

🟠 前週の余波 → 円高は続く、豪ドル・NZドルの弱さも続く

先週は「木曜の原油100ドル」で資源国通貨が割れた
当ブログの強弱指数(金曜時点):JPY +96.4 > EUR +13.8 > GBP +12.7 > USD +10.0 > CAD +6.4 > AUD -28.1 > CHF -33.1 > NZD -78.1。週間の変化率ではJPY +1.57%が独走、NZD -1.10%とゴールド -1.73%が最下位でした。

豪ドルの日次は月 +7.4 → 火 +5.4 → 水 +5.4 → 木 -28.9 → 金 -28.1。週の下げのほぼ全部が木曜1日で出ています。豪州側にはその日の指標が何もなく、原因は外にありました。木曜はNY原油が100ドルを突破し、米10年債利回りが4.865%と2023年11月以来の高さまで跳ねた日です(CNBC・みんかぶ)。ここで同じ「資源国通貨」でも符号が割れました。産油国のカナダドルは -2.1 → +13.0 と逆に上昇し、原油を輸入する側の豪ドル・NZドルが売られています。単なるドル全面高では説明できない動き方です。

当ブログは先週AUDを「やや強気」と置いて外しました。記事の中では「中東の再エスカレーションで株が崩れた場合」「原油が100ドルに乗った場合」とちゃんと書いていたのに、その経路の効き先をドル・ゴールド・カナダドルに限定して、豪ドルとNZドルを対象に入れていなかったのが原因です。今週は④の豪ドル・NZドルの欄に、原油と米金利の条件を先に書いてから方向を決めています。

ぼんやり検索で拾った補足を4つ。①ベッセント米財務長官が9/8に「私は非対称な情報をもっている。今や私が胴元だ」と述べ、円売りに賭けるトレーダーを名指しでけん制しました(日本経済新聞・Bloomberg日本語版)。②9/8の155円割れにはGPIF(年金の運用機関)の資産構成見直し観測も重なっています(外為どっとコム)。③木曜の米PPIは、実は上振れていません。BLSの公表値は総合が前月比+0.4%で予想どおり、コアは+0.2%で予想の+0.3%を下回りました。跳ねたのはエネルギーを含む財の価格(+1.1%)で、金利が上がったのは原油のほうが主因です。④金曜にサウジアラビアがパイプライン停止を発表し、週末を前に原油がもう一段意識されました(みんかぶ)。

続くか一巡か:円高は金曜の日銀会合まで材料が残るので「続く」寄り。原油→米金利の流れもホルムズ海峡が未解決なので「続く」。豪ドル・NZドルの弱さは、今週も自前の材料が薄く外部要因で動くため「続く」寄り。ドル安は金曜のCPIで利上げの見込みが9割まで戻ったので「一巡」寄りです。

🔴 地政学リスク → 原油・USD・GOLD・CAD↑ / AUD・NZD↓

ホルムズ海峡とバブエルマンデブ、2つの出口が同時に細っている
米・イランの衝突が続き、ホルムズ海峡の通航量は戦前の5分の1程度まで落ちています。加えてイラン系のフーシ派がバブエルマンデブ海峡(紅海の出口)方面へ進み、こちらの供給不安も再燃しました(Al Jazeera・ActionForex)。EIAの集計では中東の原油の生産停止量が8月に日量670万バレルまで拡大し、7月の500万バレルから増えています。サウジの8月輸出は日量310万バレルと2013年以来の少なさでした。原油はWTIが100ドル前後、ブレントは一時110ドルと5月中旬以来の高値を付けています。

ここでの効き方は2通りあって、毎週この順番で考える必要があります。①緊張が高まる→安全資産としてのゴールド買い・ドル買い(直接の経路)と、②原油高→物価が上がる→中銀が利上げを続ける→金利上昇→金利の付かないゴールドと、値動きの大きい通貨の逆風(金利の経路)。先週は②が勝ちました(原油+9.35%の週にゴールドは-1.73%)。今週も未解決のままFOMCに入るので、②が引き続き本命です。

そして先週の検証で分かったとおり、②はゴールドだけでなく豪ドル・NZドルにも同時に効きます。逆に産油国のカナダドルには①②のどちらでも追い風です。外交の進展で原油が急に下げれば、この並びは丸ごと反転します。

🟢 原油・ゴールド → 金は$4,300〜$4,400の箱の中でFOMC待ち

ゴールド$4,349、プロは6割強が強気。ただし利上げなら上がりにくい
ゴールドは金曜終値$4,349.42で週間-1.65%。週の安値$4,292、高値$4,443と、$4,300〜$4,400の箱の中にいます(Kitco News)。Kitcoの週間調査では、プロ(ウォール街)が14人中9人=64%強気、個人(メインストリート)が218人中115人=53%強気と、どちらも強気が多数派ですが個人のほうが慎重です。

面白いのは、強気な人たちの理屈が「FRBが利上げしなかったら」で揃っていることです。Bannockburn Global ForexのMarc Chandler氏は「利上げなら少し上げる程度、見送りなら大きく上げる」、RJOフューチャーズのBob Haberkorn氏は「見送りなら$5,000を目指す」と述べています。利上げは9割方すでに市場に入っているので、そのとおりに来てもゴールドには新味がない、という整理です。テクニカル側ではDarin Newsom氏が「45日線が上向きで強気」、Jesse Colombo氏が「日足で$4,400を超えて引ければ$5,000」としています。

原油はWTIが100ドル近辺、ブレントは一時110ドル。EIAは下半期のブレント平均を90ドル程度と見ていますが、実勢はそれを上回って推移しています。世界ゴールド協会は2026年も中銀の金購入が続くと見る一方、「価格が上がりすぎて追加の購入がしにくくなっている」という緊張も指摘しています。

🌍 今週の通貨別見通し

海外アナリスト(ING Think、FXStreet、FOREX.com、ActionForex/Danske Markets、Kitco News、Goldman Sachs、MUFG)と、羊飼いのFXブログの取材記事(神田卓也氏・志摩力男氏・西原宏一氏・小林芳彦氏)、外為どっとコムの見解をミックスして整理しました。

米 USD 米ドル→ 中立(ドット次第)
まず市場が何を織り込んでいるかから。CME FedWatchは9/12時点で0.25%利上げ85.5%、金曜のCPI後は約90%です(Yahoo Finance・Forbes・investingLive)。つまり利上げそのものは新しい情報になりません。勝負は同時に出るSEP(FOMCメンバーの金利見通し=ドットチャート)で、ActionForexが伝えるDanske Marketsの予想では「2026年の中央値が4.125%へ上がり、年内にもう1回あることを示す」のが基本線です。ここが4.125%以上なら想定どおりでドルは支えられ、今回で打ち止めを示唆すればドル売りになります。ING Thinkは「9/16の利上げはドルを一時的に支えるが、米インフレが2%に近づく来春まで明確な回復は期待できない」と上値の限界を強調。ゴールドマン・サックスも「為替市場より強い引き締め姿勢を出すハードルは高く、政策面のリスクはドル安方向に傾いている」と見ています。DXY(ドル指数)は98.68/69という2025年8月の高値終値・5月安値と重なる分かれ目のすぐ上です(FOREX.com)。逆に振れるとしたら:①ドット中央値が4.125%を超え、ウォーシュ議長が連続利上げを否定しなければドル急伸、②「保険で1回だけ」と明言すれば98.68割れでドル安が加速、の両方向です。
CME FedWatch / ING Think / Goldman Sachs / FOREX.com / ActionForex(Danske Markets)/ FXStreet
日 JPY 日本円↑ やや強気
織り込みの確認:OIS市場では9月会合での0.25%利上げ確率が96.8%、12月までに約1.8回、2027年7月までに約3.5回分の利上げが入っています(外為どっとコム ハロンズFX)。つまり利上げが来ても驚きになりません。それでも上向きに置く理由は3つ。①ベッセント米財務長官が植田総裁に「円の過小評価への断固たる対応を支持」と伝え、9/8には「今や私が胴元だ」と円売りを名指しでけん制していること(日本経済新聞・Bloomberg)。②志摩力男氏が「円高トレンドが開始している。マクロ系ヘッジファンドが円をショートからロングに切り替えている」として155円上抜けをストップにした戻り売り、西原宏一氏も152.00円割れなら150.00円を次の目標に挙げ、小林芳彦氏(JFX)も想定レンジを152.00〜155.50円へ引き下げていること。③金曜08:30の全国CPIが+2.0%(除生鮮+1.8%)と、会合の数時間前に出ること。反対側の見解も載せます。外為どっとコム ハロンズFXは「市場はすでにかなり速い正常化ペースを前提にしており、予定どおりの利上げだけでは円買いは一服する」とし、ING Thinkの12か月見通しはドル円157円(155〜160円想定)と円安側です。介入警戒:低。7/30〜31に28年ぶりの日米協調による円買い介入が実施され(財務省8/3談話、片山財務相が「更なる協調介入も躊躇しない」と明言)、7/30〜8/26の実績は過去最大の15.4兆円でした。ただし今は円高方向に動いているので、実弾が出る状況ではありません。当局の言葉は円安をけん制する向きのまま残っており、円安に戻ればすぐ警戒が復活します。逆に振れるとしたら:植田総裁が会見で「当面は様子を見る」と次回までの間隔を空ける姿勢を示し、同時にFRBのドットが強ければ155〜156円方向へ戻ります。
志摩力男(9/8)/ 西原宏一(9/9)/ 小林芳彦・JFX(9/8)/ 神田卓也(9/10)/ 外為どっとコム ハロンズFX / 日本経済新聞 / Bloomberg / ING Think / MUFG Research
欧 EUR ユーロ→ 中立
ECBは9/10に預金金利を0.25%上げて2.50%にしました。イラン戦争後では2回目の利上げで、ラガルド総裁は「考えるまでもない判断」「全会一致」と表現しています(Bloomberg・CNBC)。Danske Marketsは10月と12月にも利上げがあり2027年まで3%を維持すると見ており、金利の方向はユーロに有利です。ただしユーロドルは9/10の利上げ直後に1.1654から1.1598へ戻されており、材料が値段に乗り切っている感じがあります。ING Thinkは2026年末の見通しを1.18から1.16へ引き下げて弱気側(12か月後1.19)。火曜18:00の独ZEW景況感は34.2→40.0への改善予想で、ここが上振れればユーロの支えです。1.1580〜1.1600を上に保てるかどうかが分かれ目で、上の壁は1.1640〜1.1655、下の支えは1.1500〜1.1520。月曜24:15のラガルド総裁の発言で、10月・12月への踏み込み方を確認したいところです。逆に振れるとしたら:①FRBのドットが弱くドル全面安になれば1.1700方向、②ラガルド総裁が「次は様子見」とにおわせ、かつFRBが強気なら1.1500方向です。
Bloomberg / CNBC / ING Think / ActionForex(Danske Markets)/ FXStreet
英 GBP ポンド↓ やや弱気
木曜20:00のBOEは3.75%据え置き予想。焦点は投票の内訳で、FXStreetは「3人ほどが利上げに票を入れる可能性」、Danske Marketsは「7月と同じ6対3の分かれ方が再現する」と見ています。問題は市場が来年夏までに3回の利上げを見込んでいるのに対し、委員会の多数派は慎重という差です。ING Thinkは「BOEが利上げに動くハードルはまだ高い」として12か月後を1.32(現値1.35台前半から下)と弱気に置いています。水曜15:00の英CPIは前月比+0.5%・前年比+3.1%への加速予想、コアも+2.6%→+2.7%。ここが強ければ利上げの見込みを支えますが、3.75%のまま物価だけ上がる形はポンドにとって素直な買い材料になりません(景気を痛めずに利上げできる余地が乏しいため)。火曜15:00の雇用統計、金曜15:00の小売売上高(-0.2%予想)と、週を通じて数字が出続けます。逆に振れるとしたら:英CPIが予想を明確に上回り、かつBOEで利上げ票が4人以上に増えた場合。そのときは市場の見込みが正当化されてポンドが買われます。
FXStreet / ING Think / ActionForex(Danske Markets)/ kissfx.com(指標予想)
豪 AUD 豪ドル→ 中立
先に原油と米金利の条件を書きます(先週の反省)。原油が100ドル前後で高止まりし、米10年債が4.8%台後半に居座る間は、豪ドルは売られる側です。豪州は原油を輸入する側で、かつ値動きの大きい通貨なので、金利が上がる週には真っ先に外されます。先週の木曜がまさにその形でした。加えて火曜11:00の中国3指標は、鉱工業生産+4.8%・小売+0.8%と悪くない一方、固定資産投資が-7.1%とマイナス幅の拡大予想です。鉄鉱石は9/7に一時100ドルを超えたものの、中国の港湾在庫1.43億トン超・粗鋼生産の前年比-3.6%に頭を押さえられています(Discovery Alert)。買い材料もあります。RBAは11月までの利上げがほぼ市場に入っており、金曜08:30にブロック総裁の発言が控えています。FXStreetは「強気の流れは続いており、下振れの主因はFRBの想定外の引き締め姿勢」、ING Thinkは12か月後0.74で中立です。現値は0.7171で、先週は週間-0.7%。買い材料と売り材料が同じくらいなので中立に置きます。逆に振れるとしたら:①FRBのドットが4.125%を超えれば真っ先に売られて0.71割れ、②中東の外交進展で原油が急落し、同時にブロック総裁が利上げを追認すれば0.73方向、の両方向です。
FXStreet / ING Think / FOREX.com / Discovery Alert / kissfx.com(指標予想)
NZ NZD ニュージーランドドル↓ やや弱気
先週は主要通貨で最弱(週間-1.10%)、しかも3週連続の下落でした。豪ドルに対しては13年ぶりの安値圏にいます。今週の自前の材料は木曜07:45の第2四半期GDPで、前期比+0.8%から+0.1%への大幅な鈍化予想です。RBNZについては市場が「10月は見送り、12月に利上げ」とほぼ固めており、直近の会合が思ったより慎重だったことで追加利上げの見込みが剥がれた状態が続いています(FXStreet)。8月のNZ製造業は減速し、企業は生活費の圧迫と中東情勢を理由に挙げています。豪ドルと同じく原油高・米金利高の両方が逆風で、しかもGDPの数字が弱い側に出やすい配置です。現値は0.588、ING Thinkの12か月後は0.61で中立。逆に振れるとしたら:①GDPが+0.1%を明確に上回ればRBNZの12月利上げが確信に変わって反発、②売り持ちがすでにかなり積み上がっているので、FRBのドットが弱ければ買い戻しが一気に出ます。
FXStreet / ING Think / kissfx.com(指標予想)
加 CAD カナダドル→ 中立
先週の木曜、原油100ドル突破の場面で唯一きれいに買われたのがカナダドルでした(強弱指数 -2.1 → +13.0)。産油国なので原油高がそのまま追い風になります。ただし今週は月曜21:30に消費者物価指数があり、前月比の予想が+0.5%から±0.0%へ急減速。ここが予想どおりかそれ以下だと、BOCの利上げの見込みが弱まってカナダドルの重しになります。つまり原油(買い)と自国の物価鈍化(売り)が打ち消し合う配置です。ドルカナダは1.38台、ING Thinkの12か月後は1.36(カナダドルやや高)。逆に振れるとしたら:①CPIが±0.0%を上回って原油高と重なれば素直にカナダドル買い、②物価が完全に止まっていると読まれ、同時にホルムズ海峡で外交進展が出れば売り材料が2つ揃います。
ING Think / FOREX.com / kissfx.com(指標予想)
🥇 GOLD ゴールド→ 中立($4,300〜$4,400で待ち)
2つの経路を先に置きます。①ホルムズ海峡・紅海の緊張→安全資産としての金買い(直接の経路)。②原油高→物価→FRBの利上げ継続→金利上昇→金利の付かないゴールドの逆風(金利の経路)。先週は②が勝ちました(原油+9.35%の週に金は-1.73%、米10年債4.865%)。今週もホルムズは未解決のままFOMCに入るので、②が引き続き優勢という前提で見ます。
現値は$4,349.42(週間-1.65%、週の安値$4,292・高値$4,443)。Kitcoの調査ではプロの64%・個人の53%が強気ですが、その理屈は「FRBが利上げしなかったら」で揃っています。利上げは9割方入っているので、そのとおりに来ても新味がありません。Marc Chandler氏(Bannockburn)は「利上げなら少し、見送りなら大きく上がる」、Bob Haberkorn氏(RJO)は「見送りなら$5,000」。テクニカルではJesse Colombo氏が「日足$4,400超えの引けで$5,000を目指す」としています。$4,400を上に抜けるか、$4,300を下に割るかで次の方向が決まる位置なので中立に置きます。逆に振れるとしたら:①FRBが見送り、またはドットが打ち止めを示せば$4,400超えから上方向、②ドット中央値が4.125%超で米金利がさらに上がれば$4,300割れ、の両方向です。
Kitco News(週間調査)/ World Gold Council / LiteFinance / FXStreet

📚 最重要指標ピックアップ:水曜27:00のFOMCは「利上げするか」ではなく「点の位置」で動く

今週の最重要は水曜27:00(日本時間・木曜未明)の米FOMCです。ただし見るポイントが普段と違います。

まず、表と市場の食い違いについて。上の指標テーブルでFOMCの予想欄は「3.75% 据え置き」になっています。これは羊飼いのFXブログの掲載値をそのまま転記しているためで、当ブログでは指標の数字を機械的に流し込む運用にしているので書き換えていません。一方でCME FedWatchは9/12時点で0.25%利上げの確率を85.5%としており、金曜のCPI(コアが前月比+0.3%と予想を少し上回った)を受けて約90%まで上がりました(Forbes・Yahoo Finance・investingLive)。この差は、8月末のジャクソンホールでウォーシュFRB議長がインフレ警戒を強く打ち出して以降、市場の見方が短期間で大きく動いたためです。数字を見るときは表ではなくFedWatchのほうを基準にしてください。

そのうえで、なぜ意見が割れるのか。利上げ自体は9割方すでに市場に入っているので、そのとおりに来ても大きくは動きません。動くのは同時に出るSEP(FOMCメンバーの金利・経済見通し、いわゆるドットチャート)のほうです。ActionForexが伝えるDanske Marketsの予想では、2026年の中央値が4.125%へ上がり、「9月の利上げのあと年内にもう1回ある」と示すのが基本線。ING Thinkは逆に「雇用の伸びは鈍く、成長は巡航速度、インフレは冷えつつある。今回はリスク管理のための1回であって連続の始まりではない」と見ています。

つまり同じ「利上げ」でも、点がどこに置かれるかで意味が正反対になります。4.125%以上なら「まだ続く」でドル買い・ゴールド売り・豪ドルとNZドル売り。今回で打ち止めなら「これで終わり」でドル売り・ゴールド買い・値動きの大きい通貨の買い戻しです。27:30からのウォーシュ議長の会見でその解釈が固まります。

もうひとつ、金曜の日銀も同じ構造です。25bpの利上げでOIS市場の見込みは96.8%(外為どっとコム ハロンズFX)。市場は2027年7月までに約3.5回分まで見込んでいるので、利上げしただけでは円買いの燃料になりません。15:30からの植田総裁の会見で、次の利上げまでの間隔をどう語るかが本番です。8:30の全国CPI(+2.0%予想)が会合の数時間前に出るので、その数字が会見のトーンを占う材料になります。

💡 読者のみなさんへ:今週は「発表されたかどうか」ではなく「見通しの中身」で動く週です。水曜27:00はFOMCの声明よりも同時公表のドット(2026年の中央値が4.125%以上かどうか)、金曜は日銀の利上げよりも15:30の植田総裁の会見。どちらも数字が出た瞬間ではなく、その30分後から本番だと思って構えてください。

🤖 はかせがAIに聞いてみた

今週の各アナリストの分析と直近のニュースをAIに読み込ませて、総合判断を聞いてみました。

🤖 AI総合判断
今週の通貨強弱ランキング(予想)
JPY>
EUR>
USD≒
CAD>
AUD>
GBP>
NZD
🥇 GOLD:→ 中立。$4,300〜$4,400の箱の中でFOMC待ち。ドット中央値が4.125%超なら$4,300割れ、打ち止め示唆なら$4,400超えから上方向。原油高は直接の買い材料に見えて、先週は金利の流れが勝って売り材料になりました。
最も強そうなのはJPY。日銀の利上げ自体は96.8%入っているので、それだけでは足りません。それでも上に置くのは、①ベッセント米財務長官が円売りを名指しでけん制し続けていること、②国内のプロ(志摩力男氏・西原宏一氏・小林芳彦氏)が揃って戻り売り目線に切り替えていること、③金曜8:30の全国CPIが会合の直前に出ること、の3つが同じ方向を向いているからです。ただしこれは一本調子の円高を意味しません。ING Thinkは12か月後157円と逆の見方をしており、植田総裁の会見しだいで155〜156円まで戻る余地はあります。
最も弱そうなのはNZD。3週連続の下落に加え、木曜のGDPが前期比+0.8%から+0.1%へ大きく鈍る予想。RBNZの追加利上げの見込みも剥がれた状態が続いています。原油高と米金利高は、原油を輸入する高金利通貨にとって二重の逆風です。豪ドルも同じ側にいますが、RBAの利上げの見込みと金曜のブロック総裁発言がある分だけNZドルよりマシ、という並びにしました。
USDを中立に置いた理由。3大中銀が全部引き締め方向なので、金利差でドルだけが抜け出す構図になっていません。利上げは9割入っていて、ドル指数は98.68/69という分かれ目のすぐ上。ゴールドマン・サックスが「為替市場より強い引き締め姿勢を出すハードルは高い」と指摘しているとおり、上に驚かせるのが難しい位置です。ただしドットが4.125%を超えれば話は別で、そのときはドル1強に切り替わります。
📅 曜日別の注意ポイント
月(9/14)米国の主要指標なし。21:30のカナダCPI(前月比±0.0%予想)と、24:15のラガルドECB総裁の発言が材料。FRBはブラックアウト中で沈黙。週初は薄めの動きになりやすい。
火(9/15)11:00の中国3指標(固定資産投資-7.1%予想に注目)で豪ドル・NZドルの地合いが決まる。15:00英雇用統計、18:00独ZEW(34.2→40.0予想)。26:00の米20年債入札は米金利が高い状況なので需要の強弱が見どころ。
水(9/16)⚠️ 本番。15:00英CPI(+3.1%予想)→21:30米小売売上高(-0.6%から+0.9%へ反発予想)→27:00 FOMC+SEP→27:30ウォーシュ議長会見。日本時間では木曜未明なので、寝る前のポジションに注意。
木(9/17)07:45のNZ第2四半期GDP(+0.1%予想)でNZドルが動く。20:00のBOEは据え置き予想で、票の内訳(6対3か、利上げ票が増えるか)が焦点。21:30に米失業保険・住宅着工・フィラデルフィア連銀がまとめて。
金(9/18)⚠️ 08:30日本の全国CPI+ブロックRBA総裁発言 → 正午前後に日銀(25bp利上げ1.25%予想) → 15:30植田総裁会見 → 22:30ボウマンFRB副議長。来週は日本が3営業日休みなので、週末の持ち越しは普段より重くなります。
最注目イベント:水曜27:00のFOMCとSEP。2026年のドット中央値が4.125%以上なら「まだ続く」でドル買い・ゴールド売り・豪ドルとNZドル売り。今回で打ち止めを示せば、その全部が反転します。次点は金曜15:30の植田総裁会見で、こちらは「次の利上げまでの間隔」が全てです。
おすすめ監視ペア:USDJPY(FOMCと日銀の両方を正面から受ける唯一のペア。152.00円が下の支え、155〜156円が上の戻り目安)、XAUUSD($4,300と$4,400のどちらを先に抜けるか)、AUDUSD(FRBのドットに最も素直に反応する通貨)、NZDUSD(木曜GDPで自前の材料がある週)、GBPUSD(水曜CPIと木曜BOEの2段構え)

📝 まとめ

今週はFOMC(水27:00)・BOE(木20:00)・日銀(金正午前後)の3連発です。ポイントは全部同じで、利上げするかどうかはもう市場に入っているということ。FOMCは0.25%利上げが約90%、日銀は96.8%です。だから勝負はFOMCのドット(2026年中央値が4.125%以上か)と植田総裁の会見(次の利上げまでの間隔)の2点に絞られます。背景では原油が100ドル前後で高止まりし、米10年債が4.8%台後半。この「原油→金利」の流れは先週ゴールドと豪ドル・NZドルを同時に叩いており、今週も続く前提で見ています。

▶ 来週の注目:9/21(月)敬老の日・9/22(火)国民の休日・9/23(水)秋分の日で日本市場が3営業日休みです。日銀会合の直後にこの空白が来るので、東京時間の値動きが薄くなる分だけ海外勢の動きが出やすくなります。月末にかけては各国のPMI速報と米PCEが控えており、次回は「FOMCのドットと日銀会見を消化したあと、円高がどこまで続くか」を中心にお届けする予定です。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いいたします。
※指標の重要度ランクは羊飼いのFXブログ(kissfx.com)の指標ランクを参考にしています。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。