【9/28〜の週】雇用統計・PCE・RBA利上げ、日米の円安けん制で通貨別まとめ
今週は月をまたいで米指標が一気に濃くなる週です。水曜のPCE、木曜のISM製造業、金曜の雇用統計と続き、10月28日のFOMCで利上げがあるかどうか(現在の織り込みは66.6%)がこの5日間でほぼ決まります。FRB高官の発言も20回以上並びます。
もうひとつの主役は円です。先週金曜に片山財務相が「日米首脳会談でトランプ大統領から円安への懸念が示された」と異例の形で公表し、ドル円は159円手前から156円台へ急落しました。火曜のRBA利上げ(ほぼ確実)、水曜の財務省による介入実績の公表、木曜の日銀短観、金曜の東京CPIと、日本と豪州の材料も詰まっています。
世界中のアナリストの分析をAIと一緒に集めて、通貨別の方向性を整理してみました。
| 発表 | 指標名 | 重要度 | 前回値 | 予想 | |
|---|---|---|---|---|---|
| ── 月曜(9/28)── | |||||
| ── 火曜(9/29)── | |||||
| 12:35 | ![]() |
40年利付国債入札 | ◎ | − | − |
| 13:30 | ![]() |
RBA政策金利&声明発表 | ◎ | 4.35% 据え置き | 25bp 利上げ 4.60% |
| 23:00 | ![]() |
消費者信頼感指数 | AA | 89.4 | 90.0 |
| 23:00 | ![]() |
JOLTS求人 | AA | 7271千件 | 7225千件 |
| ── 水曜(9/30)── | |||||
| 10:30 | ![]() |
消費者物価指数 | ◎ | +3.5% | +4.1% |
| 21:15 | ![]() |
ADP雇用統計 | AA | +3.8万人 | +7.0万人 |
| 21:30 | ![]() |
個人所得 | S | +0.4% | +0.5% |
| 21:30 | ![]() |
個人支出 | S | +0.2% | +0.9% |
| 21:30 | ![]() |
PCEデフレーター | S | +3.7% | +3.7% |
| 21:30 | ![]() |
PCEコア・デフレーター [前月比/前年比] | S | +0.2% | +0.3% |
| 21:30 | ![]() |
第2四半期GDP【確報値】 | AA | +1.5% | +1.5% |
| 21:30 | ![]() |
個人消費【確報値】 | AA | +3.4% | +3.4% |
| 21:30 | ![]() |
GDPデフレーター【確報値】 | AA | +6.4% | +6.4% |
| 21:30 | ![]() |
コアPCEデフレーター【確報値】 | AA | +3.6% | +3.6% |
| ── 木曜(10/1)── | |||||
| 08:50 | ![]() |
第3四半期日銀短観 [大企業製造業業況判断] | ◎ | +22 | +25 |
| 08:50 | ![]() |
[大企業製造業先行き] | ◎ | +17 | +22 |
| 08:50 | ![]() |
[大企業非製造業業況判断] | ◎ | +37 | +36 |
| 08:50 | ![]() |
[大企業非製造業先行き] | ◎ | +28 | +30 |
| 08:50 | ![]() |
[設備投資計画] | ◎ | +11.5% | +12.2% |
| 08:50 | ![]() |
日銀金融政策決定会合における主な意見の公表(9月17日・18日開催分) | ◎ | − | − |
| 10:30 | ![]() |
貿易収支 | ◎ | +19.23億 | +21.00億 |
| 21:30 | ![]() |
新規失業保険申請件数 | AA | 19.7万件 | 20.0万件 |
| 23:00 | ![]() |
ISM製造業景況指数 | S | 54.6 | 55.0 |
| ── 金曜(10/2)── | |||||
| 08:30 | ![]() |
東京都区部消費者物価指数 | ◎ | +1.9% | +2.3% |
| 08:30 | ![]() |
東京都区部消費者物価指数【除生鮮】 | ◎ | +1.8% | +2.4% |
| 18:00 | ![]() |
消費者物価指数【速報値】 | ◎ | +3.2% | +3.7% |
| 18:00 | ![]() |
消費者物価指数【速報値】【コア】 | ◎ | +2.4% | +2.5% |
| 21:30 | ![]() |
雇用統計:非農業部門雇用者数 | SS | +16.2万人 | +10.0万人 |
| 21:30 | ![]() |
失業率 | SS | 4.1% | 4.1% |
| 21:30 | ![]() |
製造業雇用者数 | SS | +1.6万人 | +1.2万人 |
| 21:30 | ![]() |
平均時給[前月比/前年比] | SS | +0.3% | +0.3% |
※重要度・前回値・予想は羊飼いのFXブログ(kissfx.com)の掲載値をそのまま転記しています(並び順は曜日ごとの時刻順で自動生成)
※月曜は注目度の高い指標がなく、表には行がありません。23:30のダラス連銀製造業活動指数(C・+11.6→+8.2)があるだけです
※要人発言(ラガルド総裁・ブロック総裁会見・ベイリー総裁・シュレーゲル総裁・FRB高官20回超)は下の発言カレンダーにまとめています
※水曜9/30には財務省の「外国為替平衡操作の実施状況(8/27〜9/28分)」が公表されます。9/18深夜のレートチェック前後に実弾があったかがここで分かります(時刻は例年19:00頃)
| 注目度 | 発言者 | 予定(JST) | 注目ポイント |
|---|---|---|---|
| ★★★ | ブロックRBA総裁(会合後 記者会見) | 9/29(火)14:30 | 13:30の利上げ(4.35%→4.60%)はほぼ確実。焦点は11月の追加(織り込み40.8%)に触れるかと票の構成。9/22の議会で「労働市場の熱を取る必要がある」と発言済み |
| ★★★ | ラガルドECB総裁 | 9/28(月)23:00 10/1(木)22:30 |
月曜は欧州議会での証言。先週のPMI速報でナーゲル独連銀総裁が10月利上げを排除しなくなった直後。金曜のユーロ圏CPI(3.7%予想)の前にどこまで踏み込むか |
| ★★★ | ベイリーBOE総裁 | 10/1(木)17:00 | 先週金曜に「エネルギー高が続けば据え置きは難しくなる」。ブリーデン・ロンバルデッリ両副総裁も利上げ票に近づいており、11月利上げを追認するかどうか |
| ★★★ | シュレーゲルSNB総裁 | 10/1(木)24:30 | 先週の会合でフラン高への介入姿勢を弱め、フランは4か月ぶり安値。同日15:30のスイスCPI(+0.4%→±0.0%予想)を受けてトーンが変わるか |
| ★★ | ボウマンFRB副議長(投票権あり) | 9/28(月)21:15 9/29(火)24:00 10/1(木)28:00 |
週に3回。月曜は銀行監督のテーマなので政策には触れにくい。火曜深夜と木曜深夜が本命 |
| ★★ | ジェファーソンFRB副議長(投票権あり) | 10/1(木)26:30 | シャーロッツビルで米経済と金融政策について講演。ISM製造業(23:00)の後で、雇用統計の前日という位置 |
| ★★ | ウォラーFRB理事(投票権あり) | 9/29(火)28:00 10/1(木)23:00 |
今週のFRB発言で最も注意。8/28の講演で「9月利上げは急がない」と言って利上げ確率を66%→48%に落とした人。今回も同じ側に出れば、ドル高の前提が崩れる |
| ★★ | バーFRB理事(投票権あり) | 9/29(火)25:40 | 9/23に「さらなる利上げが必要」と言って10年債を19年ぶり高値に押し上げた張本人。同じトーンなら追認、弱めれば反動 |
| ★★ | クックFRB理事(投票権あり) | 9/28(月)26:25 9/30(水)28:25 10/1(木)28:30 |
週に3回。水曜深夜はPCE(21:30)の後なので、数字への評価が出る |
| ★★ | ウィリアムズNY連銀総裁(投票権あり) | 9/29(火)27:00 10/1(木)28:30 |
先週「年末までにさらなる利上げが適切かもしれない」。副議長格の発言なので織り込みに直結 |
| ★★ | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁/ローガン・ダラス連銀総裁(投票権あり) | 10/1(木)07:00 10/2(金)07:45 |
どちらも日本時間の早朝。東京勢が起きてすぐ見る発言。ローガン総裁は雇用統計当日の朝 |
| ★★ | ラムスデンBOE副総裁 | 9/28(月)19:00 | 週の口火。BOE内のハト派(「利下げしてもいい」寄り)なので、利上げ論への反論が出るか |
| ★ | マン/テイラーBOE委員 | 9/29(火)24:00・24:30 10/1(木)21:00(マン) |
マン氏はBOE内の最タカ派(「利下げしない」寄り)、テイラー氏は最ハト派。両極の主張を確認 |
| ★ | グールズビー/バーキン/ムサレム/コリンズ/シュミッド(投票権なし) | 9/28(月)26:30 9/29(火)26:00・26:30 9/30(水)26:30 10/1(木)06:10・22:05 |
木曜22:05はバーキン・コリンズ・シュミッドが同時刻。参考程度 |
| ★ | ナーゲル独連銀総裁 | 9/29(火)19:00 10/1(木)19:35 10/2(金)28:35 |
先週「制限的な領域への移行を排除できない」と転換したECB内のタカ派。週に3回 |
★★★ = 中央銀行トップ(FRB議長、ECB総裁、BOJ総裁、BOE総裁、RBA総裁、SNB総裁、BOC総裁)。発言だけで相場が動くレベル
★★ = FRB副議長、投票権ありの地区連銀総裁、中銀副総裁クラス。政策に直接影響力がある人
★ = 投票権なしの地区連銀総裁、その他の中銀メンバー。参考程度だがチェック推奨
※FRBの発言は週に20回超。10月会合前のブラックアウト入りが近く、この週が「10月利上げ」の意思表示の最後のまとまった機会です
※日銀総裁の発言予定なし。代わりに木曜08:50に「9月会合の主な意見」(7対2で割れた理由が文章で出る)
※発言の時間は変更される場合があります
「トランプ大統領が円安を懸念」を財務相が公表。介入は実弾から日米の言葉へ
先週金曜9/25、片山財務相が閣議後会見で「日米首脳会談でトランプ大統領から円安への懸念が示された」「官邸とも相談の上、私から初めて申し上げる」と明かしました。財務相が首脳同士の為替のやり取りを公表するのは異例で、市場をけん制する意図があったと見られています(東京新聞・日本経済新聞・時事)。高市首相も「一般論として円の過小評価は問題」と述べ、財務省は同日の片山・ベッセント電話会談で「円の過小評価は問題であるという点を再確認し、協力を強化する」と発表。ベッセント米財務長官は「日本の強固なファンダメンタルズを反映した強い円が望ましい」と言いました(みんかぶ・Reuters)。ドル円は木曜の158.95円から金曜に156.93円まで、1日で約1%下落しました。
水曜9/30には財務省が8/27〜9/28分の介入実績を公表します。9/18深夜の日銀レートチェック前後に実弾があったかどうかがここで分かります。ゼロなら「言葉だけで抑えている」ことが確定し、市場は160円を試しに行きやすくなります。金額が載れば、当局の本気度が数字で示されます。
もうひとつ、FRBの発言が週に20回以上並びます。先週はバー理事が「さらなる利上げが必要」(9/23)と言って10年債利回りを19年ぶりの5.05%超へ押し上げ、10月利上げの織り込みは週初の57%から一時73%まで跳ねました。週末時点で66.6%(Investing.com Fed Rate Monitor、9/26)。今週はウォラー理事(火深夜・木曜)が焦点です。8/28に「9月利上げは急がない」と言って確率を66%から48%に落とした人なので、同じ側に出ればドル高の前提が崩れます。
先週は「米金利19年ぶり高値でドル全面高、円だけが別行動」
当ブログの強弱指数(金曜時点):USD +63.0 > JPY +38.3 > CHF +1.8 > EUR -0.1 > NZD -17.1 > GBP -20.0 > CAD -25.9 > AUD -40.0。週間変化率はUSD +0.90%、GBP -1.03%、AUD -1.18%、CAD -1.12%、NZD -1.01%、GOLD -2.04%($4,374→$4,285)。ドル円は156.75→157.27円で+0.33%ですが、金曜だけで円が+64.4と週の順位を一気に2位まで上げました。
水曜9/23が週の分かれ目でした。22:45の米PMI速報が製造業57.0(予想53.7)・非製造業58.7(予想56.0)と大きく上振れ、価格の項目が2022年10月以来の高さ。20分後にバーFRB理事が「インフレ目標へのリスクは増し、雇用へのリスクは後退した」と言い、10年債は5.05%超(2007年以来)、2年債は4.912%まで上がりました(FXStreet・ActionForex)。この日だけでドルが+49.7、ゴールドが-16.5、豪ドルが-37.6です。
当ブログは先週GOLDを「やや強気」と置いて外しました。記事の中では「水曜はPMIの価格の欄を見る。総合が予想を割っても価格が強ければドル買い・ゴールド売り」「FRB高官が口を揃えて10月利上げが70%台に乗れば$4,270の再テスト」と、起きたことをそのまま書いていたのに、バッジはKitco調査の「プロ16人中16人が強気」を重く見て上向きに置いてしまいました。アナリストの一致度は、金利の織り込みがどちらに動きやすいかの代わりにはならない、というのが今週の反省です。今週のGOLDの欄はこの順番を入れ替えて書いています。
ぼんやり検索で拾えた、上の話に出てこない論点:①ゴールドマン・サックスが円の12か月見通しを165円から150円へ転換(7月に弱気にした分を取り消し。日銀の利上げペース加速と国内への資金回帰が理由。3か月158円・6か月155円、Bloomberg 9/25)。②SNBが9/24の据え置きでフラン高への介入姿勢を「必要に応じて」へ弱め、フランは4か月ぶり安値。INGは「市場の織り込みはまだタカ派すぎる」。③BOEのブリーデン・ロンバルデッリ両副総裁が利上げ票に近づく発言をしたのに、ポンドは週間-1.27%で最弱級。10/28予算を控えた財政懸念と「BOEの利上げ織り込みへの懐疑」(FXStreet・BBH)。④フランス10年債の対独スプレッドが110bpまで拡大し、ユーロの追加の重石(ING)。⑤Nasdaq100とビットコイン($87k)は金利上昇の中でも上がり、金だけが実質金利で売られる「分岐」(ActionForex)。⑥米中首脳会談は関税休戦を2027年1月10日まで延長し300億ドル分の関税を引き下げたが「安定、突破なし」(Saxo・CNBC)。⑦CFTCの豪ドル売り持ちが-46,814枚と26週で最も積み上がった水準(FXStreet COT)。
トランプ大統領がイランの「7日間でホルムズ再開」案を拒否。原油は月曜から反発
週末9/27、トランプ大統領はイランが示した「米国側の措置の6日後にホルムズ海峡を再開、7日目に最終合意の協議」という提案を「1年前なら受けたかもしれない。イランはやりすぎた」と拒否し、「今週交渉が再開されると期待している」と述べました。イラン側は「仲介者経由の正式回答を待っている」としており、カタール仲介の間接協議が早ければ月曜にもう一度あるとの報道です。ブレントは月曜アジア時間に106ドル超、WTIは94ドル方向へ反発しています(Bloomberg・Trading Economics・Iran International)。先週は火曜のイラン提案で原油が急落(WTIは週間で約8%安)した週だったので、今週は逆向きからのスタートです。
効き方の順番は先週の反省を入れて書き直します。①緊張が高まる→原油高→物価→FRBの利上げ継続→金利上昇→ドル買い、ゴールド・豪ドル・NZドルの逆風、カナダドルは産油国として買い。②緊張が緩む→原油安。ただし先週は原油が下がっても米金利は国内のPMIとFRB発言で上がったので、②が出ても「金利低下→ドル売り・ゴールド買い」まで自動で進むわけではありません。今週は水曜のPCEと金曜の雇用統計という国内の金利材料があるので、原油の上下より「原油以外の金利材料が同じ週にある」ことを優先して読みます。INGは「原油高が続けばブレント110ドルもありうる」としています。
効き先を通貨で分けると、原油高はCAD(買い)とAUD・NZD(輸入コスト増+金利上昇で売り)で符号が逆になります。先週水曜がまさにその形で、AUD -37.6に対してCADは相対的に持ちこたえました。
ゴールド$4,285、19年ぶりの米長期金利が最大の逆風
ゴールドは金曜終値$4,284.97で週間-2.17%。週の高値$4,387.51(日曜夜)・安値$4,244.63(木曜)で、$4,300を割って引けました(Kitco News)。下げた理由は米国債利回りの上昇(10年債5.1〜5.2%、30年債は2004年以来の高さ)、FRBのタカ派化、ドル高、エネルギー起因のインフレ懸念の4つで、USAGOLDは「高水準の長期名目金利が金の最大の短期的逆風」と整理しています。Kitcoの週間調査はプロ(ウォール街)14人中、強気5・弱気4・中立5と3分割。先週の「16人中16人が強気」から一変しました。個人(メインストリート)は152人中57%強気・23%弱気で強気維持。Bannockburn Global ForexのMarc Chandler氏は「$4,400を超えるまで注目に値しない」、BarchartのDarin Newsom氏は「テクニカルは売られすぎだが、市場は非合理でいられる」、Asset Strategies InternationalのRich Checkan氏は「FRBの利上げ幅には限界がある」。
FOREX.comは「$4,300〜4,450のレンジで下寄り。PCEが強いか雇用統計が強ければ$4,300割れから$4,245の再テスト、弱ければ$4,400〜4,450へ」。FXStreetは下値の支えを$4,230〜4,200・$4,130・$4,000、上値の壁を$4,400・$4,510〜4,540(200日線)と置き、RSIは50割れで「買いの勢いが欠けている」。銀は$64.04と金より強く、金銀比率は縮小(USAGOLD)。World Gold Councilによると8月の金ETFは$18bnの流入で史上2番目、中央銀行は年初来約130トンの購入と、長い目の買いは続いています。原油は月曜のイラン提案拒否で反発しており、①の経路(原油高→金利→金売り)が週初から効く配置です。
海外アナリスト(ING Think、FXStreet、FOREX.com、ActionForex、Bloomberg、Goldman Sachs、Kitco News、BBH)と、羊飼いのFXブログの取材記事(神田卓也氏)、外為どっとコムの見解をミックスして整理しました。志摩力男氏・西原宏一氏・小林芳彦氏の今週分の取材記事は未掲載です。
USD 米ドル→ 中立(雇用統計と101.80の壁次第)
JPY 日本円→ 中立(介入警戒:高)
EUR ユーロ↓ やや弱気
GBP ポンド↓ やや弱気(1.3200を守れるか)
AUD 豪ドル→ 中立(RBA後の声明とCPIで往復)
NZD ニュージーランドドル↓ やや弱気
CAD カナダドル→ 中立
CHF スイスフラン↓ やや弱気今週の米指標は水曜のPCE、木曜のISM製造業、金曜の雇用統計と3日続きますが、市場を動かす力が最も大きいのは金曜21:30の雇用統計です。予想はNFP +16.2万人→+10.0万人、失業率4.1%→4.1%、平均時給+0.3%→+0.3%(羊飼いのFXブログ。海外では+9.0万人の予想もあります)。8月の+16.2万人は市場予想の3倍の上振れだったので、その反動で「減速」がすでに予想に入っています。
まず、いま何が織り込まれているか。10月28日の利上げは66.6%、12月までにもう1回以上が9割超、2回以上が51.6%(Investing.com Fed Rate Monitor、9/26)。先週水曜のバー理事の「さらなる利上げが必要」で一時73%まで上がり、週末にかけて少し戻しました。つまり「10月にもう1回」は3分の2まで入っていて、雇用統計はそれを「確定」させるか「崩す」かの分かれ目です。
なぜ意見が割れるのか。強い側の根拠は、新規失業保険申請件数が19.7万件と減少傾向で、OCBCの戦略家は「上振れリスクが高まっている」と見ていること(FXStreet)。先週のPMI速報も雇用の項目を含めて強かった。弱い側の根拠は、JOLTS求人が7271→7225千件と減り続け、ADPの予想も+7.0万人にとどまること。ActionForexは「消費者は一世代ぶりの高金利と賃金の停滞、AIによる雇用不安に直面している」と書いています。バー理事自身が「雇用へのリスクは後退した」と言っているので、FRBは雇用より物価を見ている状態。だから雇用統計は「弱ければ利上げ見送り」ではなく、「よほど弱くない限り10月は利上げ」という非対称な読み方になります。
水曜のPCEはその前座ですが、軽くはありません。コアPCEの前月比は+0.2%→+0.3%予想。+0.3%が出れば前年比3.6〜3.7%で高止まりし、10月利上げの根拠になります。同時に出るQ2 GDP確報(+1.5%)と個人支出(+0.2%→+0.9%予想)も、「成長は強く物価は高い」という利上げ側の材料。木曜のISM製造業は54.6→55.0予想で、価格の項目が先週のPMIと同じく高ければ、金曜を待たずに織り込みが70%台へ戻ります。
円について1つ補足。今週の円は指標ではなく当局で動きます。金曜の雇用統計が強くて米金利が上がっても、158円台には「日米の言葉」の壁があります。逆に雇用統計が弱ければ、金利差の縮小と当局のけん制が同じ方向を向いて円高が速くなります。水曜19:00頃の財務省の介入実績公表で「9月に実弾があったか」が分かるので、雇用統計の前にこの1点だけ確認してください。
今週の各アナリストの分析と直近のニュースをAIに読み込ませて、総合判断を聞いてみました。
JPY>
CAD>
EUR>
AUD>
NZD>
GBP>
CHF
今週は10月利上げの織り込み(66.6%)を米指標で確定させるか崩すかの週です。水曜PCE→木曜ISM製造業→金曜雇用統計と3日続き、FRBの発言も20回超。ドルは2週間で6か月ぶりの大きさで上がった後の「壁の手前」にいて、対抗馬のユーロ・ポンド・豪ドル・フランはそれぞれ自前の弱さを抱えています。円だけは別枠で、先週金曜の「トランプ大統領が円安を懸念」公表を受け、158円台に日米の言葉の壁ができました。水曜の財務省公表で9月の介入実績が分かるので、そこで壁の硬さが決まります。ゴールドは19年ぶりの米長期金利が逆風で、$4,300の下から金利の織り込み次第です。
▶ 来週の注目:10/5(月)〜の週は、10/6(火)のRBNZ、10/5の米ISM非製造業、10/9(金)のカナダ雇用統計と、指標は今週より薄くなります。代わりに10月FOMC(10/28)前のブラックアウト入りを前にしたFRB高官の発言と、雇用統計の余波、イラン協議の再開が焦点。次回は「雇用統計で10月利上げは確定したのか」を起点に、通貨別の続く/一巡をお届けする予定です。
※指標の重要度ランクは羊飼いのFXブログ(kissfx.com)の指標ランクを参考にしています。

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