【9/21〜の週】連休の円は介入か159円か、PMI速報+FRB高官ラッシュ
今週は中央銀行が3つ続けて出てくる週です。水曜27:00に米FOMC(金利・経済見通し・ウォーシュ議長会見)、木曜20:00に英BOE、そして金曜の正午前後に日銀。しかも日銀は25bpの利上げが予想されていて、決まれば政策金利は1.25%と数十年ぶりの高さになります。
金曜のドル円は153円台。8月末に156円台だったところから1週間で4円近く円高に振れており、「円高のスピード」そのものが今週のテーマです。
世界中のアナリストの分析をAIと一緒に集めて、通貨別の方向性を整理してみました。
| 発表 | 指標名 | 重要度 | 前回値 | 予想 | |
|---|---|---|---|---|---|
| ── 月曜(9/14)── | |||||
| 21:30 | ![]() |
消費者物価指数[前月比/前年比] | ◎ | +0.5% | ±0.0% |
| ── 火曜(9/15)── | |||||
| 12:35 | ![]() |
20年利付国債入札 | ◎ | − | − |
| 15:00 | ![]() |
失業率 | ◎ | 4.3% | − |
| 15:00 | ![]() |
失業保険申請件数 | ◎ | -1.10万件 | − |
| 21:30 | ![]() |
NY連銀製造業景気指数 | A | +20.6 | +14.4 |
| 26:00 | ![]() |
20年債入札 | AA | − | 130億ドル |
| ── 水曜(9/16)── | |||||
| 07:45 | ![]() |
第2四半期GDP [前期比/前年比] | ◎ | +0.8% | +0.1% |
| 15:00 | ![]() |
消費者物価指数[前月比/前年比] | ◎ | +0.3% | +0.5% |
| 15:00 | ![]() |
消費者物価指数【コア】[前年比] | ◎ | +2.6% | +2.7% |
| 21:30 | ![]() |
小売売上高 | S | -0.6% | +0.9% |
| 21:30 | ![]() |
小売売上高【除自動車】 | S | -0.3% | +0.6% |
| 27:00 | ![]() |
FOMC政策金利&声明発表 | SS | 3.75% 据え置き | 3.75% 据え置き |
| 27:00 | ![]() |
FOMCメンバーによる金利・経済見通し(SEP)発表 | SS | − | − |
| ── 木曜(9/17)── | |||||
| 07:45 | ![]() |
第2四半期GDP [前期比/前年比] | ◎ | +0.8% | +0.1% |
| 20:00 | ![]() |
BOE政策金利&声明発表 | ◎ | 3.75% 据え置き | 3.75% 据え置き |
| 20:00 | ![]() |
BOE議事録公表 | ◎ | − | − |
| 21:30 | ![]() |
新規失業保険申請件数 | AA | 20.6万件 | 20.6万件 |
| 21:30 | ![]() |
住宅着工件数 | A | 123.9万件 | 131.8万件 |
| 21:30 | ![]() |
建設許可件数 | A | 144.3万件 | 141.0万件 |
| 21:30 | ![]() |
フィラデルフィア連銀景況指数 | A | +47.4 | +32.8 |
| 23:00 | ![]() |
中古住宅販売保留[前月比/前年比] | A | -2.3% | ±0.0% |
| 26:00 | ![]() |
10年インフレ連動債(TIPS)入札 | AA | − | 190億ドル |
| ── 金曜(9/18)── | |||||
| 08:30 | ![]() |
全国消費者物価指数 | ◎ | +1.9% | +2.0% |
| 08:30 | ![]() |
全国消費者物価指数【除生鮮】 | ◎ | +1.8% | +1.8% |
| 15:00 | ![]() |
小売売上高[前月比/前年比] | ◎ | -0.5% | -0.2% |
| 15:00 | ![]() |
小売売上高【除自動車】 [前月比/前年比] | ◎ | -0.9% | -0.1% |
| 22:15 | ![]() |
鉱工業生産 | A | +0.2% | +0.3% |
| 23:00 | ![]() |
景気先行指数 | A | +0.2% | +0.2% |
| 未定 | ![]() |
BOJ政策金利&声明発表 | ◎ | 1.00% 据え置き | 25bp 利上げ 1.25% |
※重要度・前回値・予想は羊飼いのFXブログ(kissfx.com)の掲載値をそのまま転記しています(並び順は曜日ごとの時刻順で自動生成)
※水曜の欄にあるNZ第2四半期GDPは実際には木曜07:45の指標です。kissfx.comが前日ページにも「翌07:45」として載せているため2回出ています
※水曜27:00のFOMCは表の予想欄が「3.75% 据え置き」ですが、CME FedWatchでは9/12時点で0.25%利上げの確率が85.5%、金曜のCPI後は約90%まで上がっています。この食い違いは⑤で詳しく説明します
※要人発言(ウォーシュ議長会見・植田総裁会見・ラガルド総裁・ブロック総裁・ボウマン副議長)は下の発言カレンダーにまとめています
| 注目度 | 発言者 | 予定(JST) | 注目ポイント |
|---|---|---|---|
| ★★★ | ウォーシュFRB議長(FOMC後 記者会見) | 9/16(水)27:30 | 今週の最重要。利上げが「保険で1回だけ」なのか「連続の入口」なのか。8月ジャクソンホールでの発言が9月利上げ観測の出発点 |
| ★★★ | 植田日銀総裁(会合後 記者会見) | 9/18(金)15:30 | 利上げ自体はほぼ市場に入っている。次の利上げまでの間隔をどう語るかで円の反応が正反対になる |
| ★★★ | ラガルドECB総裁 | 9/14(月)24:15 | 9/10の利上げを「考えるまでもない判断」と表現した直後。10月・12月の追加についてどこまで踏み込むか |
| ★★★ | ブロックRBA総裁 | 9/18(金)08:30 | 豪州は11月までの利上げがほぼ入っている状態。総裁がそれを追認するか、慎重に引き戻すか |
| ★★ | ボウマンFRB副議長(投票権あり) | 9/18(金)22:30 | FOMC後の最初のFRB高官。会見で足りなかった説明を補いに来る位置 |
★★★ = 中央銀行トップ(FRB議長、ECB総裁、BOJ総裁、BOE総裁、RBA総裁)。発言だけで相場が動くレベル
★★ = FRB副議長、投票権ありの地区連銀総裁、中銀副総裁クラス。政策に直接影響力がある人
★ = 投票権なしの地区連銀総裁、その他の中銀メンバー。参考程度だがチェック推奨
※FRBは9/5〜9/17がブラックアウト期間(FOMC前に高官が発言を控える決まり)です。そのため水曜の会見までFRBからの発信はゼロ、金曜のボウマン副議長が解禁後の第一声になります
※BOEは木曜20:00に声明と議事録が同時に出ます(今回は総裁会見の予定なし)
※発言の時間は変更される場合があります
中銀トップが4人、3日間に集中する
月曜24:15のラガルドECB総裁から始まって、水曜27:30ウォーシュFRB議長、金曜08:30ブロックRBA総裁、金曜15:30植田日銀総裁と、中銀トップの発言が立て続けに来ます。しかもFRBは9/5〜9/17がブラックアウトなので、水曜の会見まで米当局からの発信が一切ありません。情報が水曜27:30に一点集中する構造で、それまでは市場が自分の想像で値を付けることになります。当ブログのこれまでの検証でも、こうした「中銀トップの檜舞台」がある週は、予定されている経済指標より講演・会見のほうが週の方向を決めてきました。金曜22:30のボウマンFRB副議長(投票権あり)は、会見で言い足りなかった部分を補正しに来る位置なので、週末前の最後の振れ要因になります。
先週は「木曜の原油100ドル」で資源国通貨が割れた
当ブログの強弱指数(金曜時点):JPY +96.4 > EUR +13.8 > GBP +12.7 > USD +10.0 > CAD +6.4 > AUD -28.1 > CHF -33.1 > NZD -78.1。週間の変化率ではJPY +1.57%が独走、NZD -1.10%とゴールド -1.73%が最下位でした。
豪ドルの日次は月 +7.4 → 火 +5.4 → 水 +5.4 → 木 -28.9 → 金 -28.1。週の下げのほぼ全部が木曜1日で出ています。豪州側にはその日の指標が何もなく、原因は外にありました。木曜はNY原油が100ドルを突破し、米10年債利回りが4.865%と2023年11月以来の高さまで跳ねた日です(CNBC・みんかぶ)。ここで同じ「資源国通貨」でも符号が割れました。産油国のカナダドルは -2.1 → +13.0 と逆に上昇し、原油を輸入する側の豪ドル・NZドルが売られています。単なるドル全面高では説明できない動き方です。
当ブログは先週AUDを「やや強気」と置いて外しました。記事の中では「中東の再エスカレーションで株が崩れた場合」「原油が100ドルに乗った場合」とちゃんと書いていたのに、その経路の効き先をドル・ゴールド・カナダドルに限定して、豪ドルとNZドルを対象に入れていなかったのが原因です。今週は④の豪ドル・NZドルの欄に、原油と米金利の条件を先に書いてから方向を決めています。
ぼんやり検索で拾った補足を4つ。①ベッセント米財務長官が9/8に「私は非対称な情報をもっている。今や私が胴元だ」と述べ、円売りに賭けるトレーダーを名指しでけん制しました(日本経済新聞・Bloomberg日本語版)。②9/8の155円割れにはGPIF(年金の運用機関)の資産構成見直し観測も重なっています(外為どっとコム)。③木曜の米PPIは、実は上振れていません。BLSの公表値は総合が前月比+0.4%で予想どおり、コアは+0.2%で予想の+0.3%を下回りました。跳ねたのはエネルギーを含む財の価格(+1.1%)で、金利が上がったのは原油のほうが主因です。④金曜にサウジアラビアがパイプライン停止を発表し、週末を前に原油がもう一段意識されました(みんかぶ)。
続くか一巡か:円高は金曜の日銀会合まで材料が残るので「続く」寄り。原油→米金利の流れもホルムズ海峡が未解決なので「続く」。豪ドル・NZドルの弱さは、今週も自前の材料が薄く外部要因で動くため「続く」寄り。ドル安は金曜のCPIで利上げの見込みが9割まで戻ったので「一巡」寄りです。
ホルムズ海峡とバブエルマンデブ、2つの出口が同時に細っている
米・イランの衝突が続き、ホルムズ海峡の通航量は戦前の5分の1程度まで落ちています。加えてイラン系のフーシ派がバブエルマンデブ海峡(紅海の出口)方面へ進み、こちらの供給不安も再燃しました(Al Jazeera・ActionForex)。EIAの集計では中東の原油の生産停止量が8月に日量670万バレルまで拡大し、7月の500万バレルから増えています。サウジの8月輸出は日量310万バレルと2013年以来の少なさでした。原油はWTIが100ドル前後、ブレントは一時110ドルと5月中旬以来の高値を付けています。
ここでの効き方は2通りあって、毎週この順番で考える必要があります。①緊張が高まる→安全資産としてのゴールド買い・ドル買い(直接の経路)と、②原油高→物価が上がる→中銀が利上げを続ける→金利上昇→金利の付かないゴールドと、値動きの大きい通貨の逆風(金利の経路)。先週は②が勝ちました(原油+9.35%の週にゴールドは-1.73%)。今週も未解決のままFOMCに入るので、②が引き続き本命です。
そして先週の検証で分かったとおり、②はゴールドだけでなく豪ドル・NZドルにも同時に効きます。逆に産油国のカナダドルには①②のどちらでも追い風です。外交の進展で原油が急に下げれば、この並びは丸ごと反転します。
ゴールド$4,349、プロは6割強が強気。ただし利上げなら上がりにくい
ゴールドは金曜終値$4,349.42で週間-1.65%。週の安値$4,292、高値$4,443と、$4,300〜$4,400の箱の中にいます(Kitco News)。Kitcoの週間調査では、プロ(ウォール街)が14人中9人=64%強気、個人(メインストリート)が218人中115人=53%強気と、どちらも強気が多数派ですが個人のほうが慎重です。
面白いのは、強気な人たちの理屈が「FRBが利上げしなかったら」で揃っていることです。Bannockburn Global ForexのMarc Chandler氏は「利上げなら少し上げる程度、見送りなら大きく上げる」、RJOフューチャーズのBob Haberkorn氏は「見送りなら$5,000を目指す」と述べています。利上げは9割方すでに市場に入っているので、そのとおりに来てもゴールドには新味がない、という整理です。テクニカル側ではDarin Newsom氏が「45日線が上向きで強気」、Jesse Colombo氏が「日足で$4,400を超えて引ければ$5,000」としています。
原油はWTIが100ドル近辺、ブレントは一時110ドル。EIAは下半期のブレント平均を90ドル程度と見ていますが、実勢はそれを上回って推移しています。世界ゴールド協会は2026年も中銀の金購入が続くと見る一方、「価格が上がりすぎて追加の購入がしにくくなっている」という緊張も指摘しています。
海外アナリスト(ING Think、FXStreet、FOREX.com、ActionForex/Danske Markets、Kitco News、Goldman Sachs、MUFG)と、羊飼いのFXブログの取材記事(神田卓也氏・志摩力男氏・西原宏一氏・小林芳彦氏)、外為どっとコムの見解をミックスして整理しました。
USD 米ドル→ 中立(ドット次第)
JPY 日本円↑ やや強気
EUR ユーロ→ 中立
GBP ポンド↓ やや弱気
AUD 豪ドル→ 中立
NZD ニュージーランドドル↓ やや弱気
CAD カナダドル→ 中立現値は$4,349.42(週間-1.65%、週の安値$4,292・高値$4,443)。Kitcoの調査ではプロの64%・個人の53%が強気ですが、その理屈は「FRBが利上げしなかったら」で揃っています。利上げは9割方入っているので、そのとおりに来ても新味がありません。Marc Chandler氏(Bannockburn)は「利上げなら少し、見送りなら大きく上がる」、Bob Haberkorn氏(RJO)は「見送りなら$5,000」。テクニカルではJesse Colombo氏が「日足$4,400超えの引けで$5,000を目指す」としています。$4,400を上に抜けるか、$4,300を下に割るかで次の方向が決まる位置なので中立に置きます。逆に振れるとしたら:①FRBが見送り、またはドットが打ち止めを示せば$4,400超えから上方向、②ドット中央値が4.125%超で米金利がさらに上がれば$4,300割れ、の両方向です。
今週の最重要は水曜27:00(日本時間・木曜未明)の米FOMCです。ただし見るポイントが普段と違います。
まず、表と市場の食い違いについて。上の指標テーブルでFOMCの予想欄は「3.75% 据え置き」になっています。これは羊飼いのFXブログの掲載値をそのまま転記しているためで、当ブログでは指標の数字を機械的に流し込む運用にしているので書き換えていません。一方でCME FedWatchは9/12時点で0.25%利上げの確率を85.5%としており、金曜のCPI(コアが前月比+0.3%と予想を少し上回った)を受けて約90%まで上がりました(Forbes・Yahoo Finance・investingLive)。この差は、8月末のジャクソンホールでウォーシュFRB議長がインフレ警戒を強く打ち出して以降、市場の見方が短期間で大きく動いたためです。数字を見るときは表ではなくFedWatchのほうを基準にしてください。
そのうえで、なぜ意見が割れるのか。利上げ自体は9割方すでに市場に入っているので、そのとおりに来ても大きくは動きません。動くのは同時に出るSEP(FOMCメンバーの金利・経済見通し、いわゆるドットチャート)のほうです。ActionForexが伝えるDanske Marketsの予想では、2026年の中央値が4.125%へ上がり、「9月の利上げのあと年内にもう1回ある」と示すのが基本線。ING Thinkは逆に「雇用の伸びは鈍く、成長は巡航速度、インフレは冷えつつある。今回はリスク管理のための1回であって連続の始まりではない」と見ています。
つまり同じ「利上げ」でも、点がどこに置かれるかで意味が正反対になります。4.125%以上なら「まだ続く」でドル買い・ゴールド売り・豪ドルとNZドル売り。今回で打ち止めなら「これで終わり」でドル売り・ゴールド買い・値動きの大きい通貨の買い戻しです。27:30からのウォーシュ議長の会見でその解釈が固まります。
もうひとつ、金曜の日銀も同じ構造です。25bpの利上げでOIS市場の見込みは96.8%(外為どっとコム ハロンズFX)。市場は2027年7月までに約3.5回分まで見込んでいるので、利上げしただけでは円買いの燃料になりません。15:30からの植田総裁の会見で、次の利上げまでの間隔をどう語るかが本番です。8:30の全国CPI(+2.0%予想)が会合の数時間前に出るので、その数字が会見のトーンを占う材料になります。
今週の各アナリストの分析と直近のニュースをAIに読み込ませて、総合判断を聞いてみました。
EUR>
USD≒
CAD>
AUD>
GBP>
NZD
今週はFOMC(水27:00)・BOE(木20:00)・日銀(金正午前後)の3連発です。ポイントは全部同じで、利上げするかどうかはもう市場に入っているということ。FOMCは0.25%利上げが約90%、日銀は96.8%です。だから勝負はFOMCのドット(2026年中央値が4.125%以上か)と植田総裁の会見(次の利上げまでの間隔)の2点に絞られます。背景では原油が100ドル前後で高止まりし、米10年債が4.8%台後半。この「原油→金利」の流れは先週ゴールドと豪ドル・NZドルを同時に叩いており、今週も続く前提で見ています。
▶ 来週の注目:9/21(月)敬老の日・9/22(火)国民の休日・9/23(水)秋分の日で日本市場が3営業日休みです。日銀会合の直後にこの空白が来るので、東京時間の値動きが薄くなる分だけ海外勢の動きが出やすくなります。月末にかけては各国のPMI速報と米PCEが控えており、次回は「FOMCのドットと日銀会見を消化したあと、円高がどこまで続くか」を中心にお届けする予定です。
※指標の重要度ランクは羊飼いのFXブログ(kissfx.com)の指標ランクを参考にしています。

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