【9/28〜の週】雇用統計・PCE・RBA利上げ、日米の円安けん制で通貨別まとめ

今週は月をまたいで米指標が一気に濃くなる週です。水曜のPCE、木曜のISM製造業、金曜の雇用統計と続き、10月28日のFOMCで利上げがあるかどうか(現在の織り込みは66.6%)がこの5日間でほぼ決まります。FRB高官の発言も20回以上並びます。

もうひとつの主役は円です。先週金曜に片山財務相が「日米首脳会談でトランプ大統領から円安への懸念が示された」と異例の形で公表し、ドル円は159円手前から156円台へ急落しました。火曜のRBA利上げ(ほぼ確実)、水曜の財務省による介入実績の公表、木曜の日銀短観、金曜の東京CPIと、日本と豪州の材料も詰まっています。

世界中のアナリストの分析をAIと一緒に集めて、通貨別の方向性を整理してみました。

📊 今週の指標カード一覧
※9/30(水)はカナダが祝日で休場。10/1(木)から中国が国慶節で10/7まで休場(香港も10/1休場)。9/30(水)が9月と第3四半期の最終営業日で、月末・四半期末のポジション調整が深夜0時(ロンドンフィックス)前後に出やすい週です


発表   指標名 重要度 前回値 予想
── 月曜(9/28)──
── 火曜(9/29)──
12:35 日 40年利付国債入札 ◎ − −
13:30 豪 RBA政策金利&声明発表 ◎ 4.35% 据え置き 25bp 利上げ 4.60%
23:00 米 消費者信頼感指数 AA 89.4 90.0
23:00 米 JOLTS求人 AA 7271千件 7225千件
── 水曜(9/30)──
10:30 豪 消費者物価指数 ◎ +3.5% +4.1%
21:15 米 ADP雇用統計 AA +3.8万人 +7.0万人
21:30 米 個人所得 S +0.4% +0.5%
21:30 米 個人支出 S +0.2% +0.9%
21:30 米 PCEデフレーター S +3.7% +3.7%
21:30 米 PCEコア・デフレーター [前月比/前年比] S +0.2% +0.3%
21:30 米 第2四半期GDP【確報値】 AA +1.5% +1.5%
21:30 米 個人消費【確報値】 AA +3.4% +3.4%
21:30 米 GDPデフレーター【確報値】 AA +6.4% +6.4%
21:30 米 コアPCEデフレーター【確報値】 AA +3.6% +3.6%
── 木曜(10/1)──
08:50 日 第3四半期日銀短観 [大企業製造業業況判断] ◎ +22 +25
08:50 日 [大企業製造業先行き] ◎ +17 +22
08:50 日 [大企業非製造業業況判断] ◎ +37 +36
08:50 日 [大企業非製造業先行き] ◎ +28 +30
08:50 日 [設備投資計画] ◎ +11.5% +12.2%
08:50 日 日銀金融政策決定会合における主な意見の公表(9月17日・18日開催分) ◎ − −
10:30 豪 貿易収支 ◎ +19.23億 +21.00億
21:30 米 新規失業保険申請件数 AA 19.7万件 20.0万件
23:00 米 ISM製造業景況指数 S 54.6 55.0
── 金曜(10/2)──
08:30 日 東京都区部消費者物価指数 ◎ +1.9% +2.3%
08:30 日 東京都区部消費者物価指数【除生鮮】 ◎ +1.8% +2.4%
18:00 欧 消費者物価指数【速報値】 ◎ +3.2% +3.7%
18:00 欧 消費者物価指数【速報値】【コア】 ◎ +2.4% +2.5%
21:30 米 雇用統計:非農業部門雇用者数 SS +16.2万人 +10.0万人
21:30 米 失業率 SS 4.1% 4.1%
21:30 米 製造業雇用者数 SS +1.6万人 +1.2万人
21:30 米 平均時給[前月比/前年比] SS +0.3% +0.3%

※重要度・前回値・予想は羊飼いのFXブログ(kissfx.com)の掲載値をそのまま転記しています(並び順は曜日ごとの時刻順で自動生成)
※月曜は注目度の高い指標がなく、表には行がありません。23:30のダラス連銀製造業活動指数(C・+11.6→+8.2)があるだけです
※要人発言(ラガルド総裁・ブロック総裁会見・ベイリー総裁・シュレーゲル総裁・FRB高官20回超)は下の発言カレンダーにまとめています
※水曜9/30には財務省の「外国為替平衡操作の実施状況(8/27〜9/28分)」が公表されます。9/18深夜のレートチェック前後に実弾があったかがここで分かります(時刻は例年19:00頃)

🎤 今週の要人発言カレンダー
注目度 発言者 予定(JST) 注目ポイント
★★★ ブロックRBA総裁(会合後 記者会見) 9/29(火)14:30 13:30の利上げ(4.35%→4.60%)はほぼ確実。焦点は11月の追加(織り込み40.8%)に触れるかと票の構成。9/22の議会で「労働市場の熱を取る必要がある」と発言済み
★★★ ラガルドECB総裁 9/28(月)23:00
10/1(木)22:30
月曜は欧州議会での証言。先週のPMI速報でナーゲル独連銀総裁が10月利上げを排除しなくなった直後。金曜のユーロ圏CPI(3.7%予想)の前にどこまで踏み込むか
★★★ ベイリーBOE総裁 10/1(木)17:00 先週金曜に「エネルギー高が続けば据え置きは難しくなる」。ブリーデン・ロンバルデッリ両副総裁も利上げ票に近づいており、11月利上げを追認するかどうか
★★★ シュレーゲルSNB総裁 10/1(木)24:30 先週の会合でフラン高への介入姿勢を弱め、フランは4か月ぶり安値。同日15:30のスイスCPI(+0.4%→±0.0%予想)を受けてトーンが変わるか
★★ ボウマンFRB副議長(投票権あり) 9/28(月)21:15
9/29(火)24:00
10/1(木)28:00
週に3回。月曜は銀行監督のテーマなので政策には触れにくい。火曜深夜と木曜深夜が本命
★★ ジェファーソンFRB副議長(投票権あり) 10/1(木)26:30 シャーロッツビルで米経済と金融政策について講演。ISM製造業(23:00)の後で、雇用統計の前日という位置
★★ ウォラーFRB理事(投票権あり) 9/29(火)28:00
10/1(木)23:00
今週のFRB発言で最も注意。8/28の講演で「9月利上げは急がない」と言って利上げ確率を66%→48%に落とした人。今回も同じ側に出れば、ドル高の前提が崩れる
★★ バーFRB理事(投票権あり) 9/29(火)25:40 9/23に「さらなる利上げが必要」と言って10年債を19年ぶり高値に押し上げた張本人。同じトーンなら追認、弱めれば反動
★★ クックFRB理事(投票権あり) 9/28(月)26:25
9/30(水)28:25
10/1(木)28:30
週に3回。水曜深夜はPCE(21:30)の後なので、数字への評価が出る
★★ ウィリアムズNY連銀総裁(投票権あり) 9/29(火)27:00
10/1(木)28:30
先週「年末までにさらなる利上げが適切かもしれない」。副議長格の発言なので織り込みに直結
★★ カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁/ローガン・ダラス連銀総裁(投票権あり) 10/1(木)07:00
10/2(金)07:45
どちらも日本時間の早朝。東京勢が起きてすぐ見る発言。ローガン総裁は雇用統計当日の朝
★★ ラムスデンBOE副総裁 9/28(月)19:00 週の口火。BOE内のハト派(「利下げしてもいい」寄り)なので、利上げ論への反論が出るか
★ マン/テイラーBOE委員 9/29(火)24:00・24:30
10/1(木)21:00(マン)
マン氏はBOE内の最タカ派(「利下げしない」寄り)、テイラー氏は最ハト派。両極の主張を確認
★ グールズビー/バーキン/ムサレム/コリンズ/シュミッド(投票権なし) 9/28(月)26:30
9/29(火)26:00・26:30
9/30(水)26:30
10/1(木)06:10・22:05
木曜22:05はバーキン・コリンズ・シュミッドが同時刻。参考程度
★ ナーゲル独連銀総裁 9/29(火)19:00
10/1(木)19:35
10/2(金)28:35
先週「制限的な領域への移行を排除できない」と転換したECB内のタカ派。週に3回
発言の注目度ランクについて
★★★ = 中央銀行トップ(FRB議長、ECB総裁、BOJ総裁、BOE総裁、RBA総裁、SNB総裁、BOC総裁)。発言だけで相場が動くレベル
★★ = FRB副議長、投票権ありの地区連銀総裁、中銀副総裁クラス。政策に直接影響力がある人
★ = 投票権なしの地区連銀総裁、その他の中銀メンバー。参考程度だがチェック推奨
※FRBの発言は週に20回超。10月会合前のブラックアウト入りが近く、この週が「10月利上げ」の意思表示の最後のまとまった機会です
※日銀総裁の発言予定なし。代わりに木曜08:50に「9月会合の主な意見」(7対2で割れた理由が文章で出る)
※発言の時間は変更される場合があります

🤖 AIが気になった今週のニュース
🟡 要人発言・当局の動き → JPY・USDに直結

「トランプ大統領が円安を懸念」を財務相が公表。介入は実弾から日米の言葉へ
先週金曜9/25、片山財務相が閣議後会見で「日米首脳会談でトランプ大統領から円安への懸念が示された」「官邸とも相談の上、私から初めて申し上げる」と明かしました。財務相が首脳同士の為替のやり取りを公表するのは異例で、市場をけん制する意図があったと見られています(東京新聞・日本経済新聞・時事)。高市首相も「一般論として円の過小評価は問題」と述べ、財務省は同日の片山・ベッセント電話会談で「円の過小評価は問題であるという点を再確認し、協力を強化する」と発表。ベッセント米財務長官は「日本の強固なファンダメンタルズを反映した強い円が望ましい」と言いました(みんかぶ・Reuters)。ドル円は木曜の158.95円から金曜に156.93円まで、1日で約1%下落しました。

水曜9/30には財務省が8/27〜9/28分の介入実績を公表します。9/18深夜の日銀レートチェック前後に実弾があったかどうかがここで分かります。ゼロなら「言葉だけで抑えている」ことが確定し、市場は160円を試しに行きやすくなります。金額が載れば、当局の本気度が数字で示されます。

もうひとつ、FRBの発言が週に20回以上並びます。先週はバー理事が「さらなる利上げが必要」(9/23)と言って10年債利回りを19年ぶりの5.05%超へ押し上げ、10月利上げの織り込みは週初の57%から一時73%まで跳ねました。週末時点で66.6%(Investing.com Fed Rate Monitor、9/26)。今週はウォラー理事(火深夜・木曜)が焦点です。8/28に「9月利上げは急がない」と言って確率を66%から48%に落とした人なので、同じ側に出ればドル高の前提が崩れます。

🟠 前週の余波 → ドル高は「確認待ち」、円は当局が上限、金は金利の逆風が続く

先週は「米金利19年ぶり高値でドル全面高、円だけが別行動」
当ブログの強弱指数(金曜時点):USD +63.0 > JPY +38.3 > CHF +1.8 > EUR -0.1 > NZD -17.1 > GBP -20.0 > CAD -25.9 > AUD -40.0。週間変化率はUSD +0.90%、GBP -1.03%、AUD -1.18%、CAD -1.12%、NZD -1.01%、GOLD -2.04%($4,374→$4,285)。ドル円は156.75→157.27円で+0.33%ですが、金曜だけで円が+64.4と週の順位を一気に2位まで上げました。

水曜9/23が週の分かれ目でした。22:45の米PMI速報が製造業57.0(予想53.7)・非製造業58.7(予想56.0)と大きく上振れ、価格の項目が2022年10月以来の高さ。20分後にバーFRB理事が「インフレ目標へのリスクは増し、雇用へのリスクは後退した」と言い、10年債は5.05%超(2007年以来)、2年債は4.912%まで上がりました(FXStreet・ActionForex)。この日だけでドルが+49.7、ゴールドが-16.5、豪ドルが-37.6です。

当ブログは先週GOLDを「やや強気」と置いて外しました。記事の中では「水曜はPMIの価格の欄を見る。総合が予想を割っても価格が強ければドル買い・ゴールド売り」「FRB高官が口を揃えて10月利上げが70%台に乗れば$4,270の再テスト」と、起きたことをそのまま書いていたのに、バッジはKitco調査の「プロ16人中16人が強気」を重く見て上向きに置いてしまいました。アナリストの一致度は、金利の織り込みがどちらに動きやすいかの代わりにはならない、というのが今週の反省です。今週のGOLDの欄はこの順番を入れ替えて書いています。

ぼんやり検索で拾えた、上の話に出てこない論点:①ゴールドマン・サックスが円の12か月見通しを165円から150円へ転換(7月に弱気にした分を取り消し。日銀の利上げペース加速と国内への資金回帰が理由。3か月158円・6か月155円、Bloomberg 9/25)。②SNBが9/24の据え置きでフラン高への介入姿勢を「必要に応じて」へ弱め、フランは4か月ぶり安値。INGは「市場の織り込みはまだタカ派すぎる」。③BOEのブリーデン・ロンバルデッリ両副総裁が利上げ票に近づく発言をしたのに、ポンドは週間-1.27%で最弱級。10/28予算を控えた財政懸念と「BOEの利上げ織り込みへの懐疑」(FXStreet・BBH)。④フランス10年債の対独スプレッドが110bpまで拡大し、ユーロの追加の重石(ING)。⑤Nasdaq100とビットコイン($87k)は金利上昇の中でも上がり、金だけが実質金利で売られる「分岐」(ActionForex)。⑥米中首脳会談は関税休戦を2027年1月10日まで延長し300億ドル分の関税を引き下げたが「安定、突破なし」(Saxo・CNBC)。⑦CFTCの豪ドル売り持ちが-46,814枚と26週で最も積み上がった水準(FXStreet COT)。

🔴 地政学・政治 → 原油・USD・CAD(買い)/AUD・NZD・GOLD(売り)と符号が分かれる

トランプ大統領がイランの「7日間でホルムズ再開」案を拒否。原油は月曜から反発
週末9/27、トランプ大統領はイランが示した「米国側の措置の6日後にホルムズ海峡を再開、7日目に最終合意の協議」という提案を「1年前なら受けたかもしれない。イランはやりすぎた」と拒否し、「今週交渉が再開されると期待している」と述べました。イラン側は「仲介者経由の正式回答を待っている」としており、カタール仲介の間接協議が早ければ月曜にもう一度あるとの報道です。ブレントは月曜アジア時間に106ドル超、WTIは94ドル方向へ反発しています(Bloomberg・Trading Economics・Iran International)。先週は火曜のイラン提案で原油が急落(WTIは週間で約8%安)した週だったので、今週は逆向きからのスタートです。

効き方の順番は先週の反省を入れて書き直します。①緊張が高まる→原油高→物価→FRBの利上げ継続→金利上昇→ドル買い、ゴールド・豪ドル・NZドルの逆風、カナダドルは産油国として買い。②緊張が緩む→原油安。ただし先週は原油が下がっても米金利は国内のPMIとFRB発言で上がったので、②が出ても「金利低下→ドル売り・ゴールド買い」まで自動で進むわけではありません。今週は水曜のPCEと金曜の雇用統計という国内の金利材料があるので、原油の上下より「原油以外の金利材料が同じ週にある」ことを優先して読みます。INGは「原油高が続けばブレント110ドルもありうる」としています。

効き先を通貨で分けると、原油高はCAD(買い)とAUD・NZD(輸入コスト増+金利上昇で売り)で符号が逆になります。先週水曜がまさにその形で、AUD -37.6に対してCADは相対的に持ちこたえました。

🟢 原油・ゴールド → 金は$4,300を挟んで下寄り、プロの見方は3分割

ゴールド$4,285、19年ぶりの米長期金利が最大の逆風
ゴールドは金曜終値$4,284.97で週間-2.17%。週の高値$4,387.51(日曜夜)・安値$4,244.63(木曜)で、$4,300を割って引けました(Kitco News)。下げた理由は米国債利回りの上昇(10年債5.1〜5.2%、30年債は2004年以来の高さ)、FRBのタカ派化、ドル高、エネルギー起因のインフレ懸念の4つで、USAGOLDは「高水準の長期名目金利が金の最大の短期的逆風」と整理しています。Kitcoの週間調査はプロ(ウォール街)14人中、強気5・弱気4・中立5と3分割。先週の「16人中16人が強気」から一変しました。個人(メインストリート)は152人中57%強気・23%弱気で強気維持。Bannockburn Global ForexのMarc Chandler氏は「$4,400を超えるまで注目に値しない」、BarchartのDarin Newsom氏は「テクニカルは売られすぎだが、市場は非合理でいられる」、Asset Strategies InternationalのRich Checkan氏は「FRBの利上げ幅には限界がある」。

FOREX.comは「$4,300〜4,450のレンジで下寄り。PCEが強いか雇用統計が強ければ$4,300割れから$4,245の再テスト、弱ければ$4,400〜4,450へ」。FXStreetは下値の支えを$4,230〜4,200・$4,130・$4,000、上値の壁を$4,400・$4,510〜4,540(200日線)と置き、RSIは50割れで「買いの勢いが欠けている」。銀は$64.04と金より強く、金銀比率は縮小(USAGOLD)。World Gold Councilによると8月の金ETFは$18bnの流入で史上2番目、中央銀行は年初来約130トンの購入と、長い目の買いは続いています。原油は月曜のイラン提案拒否で反発しており、①の経路(原油高→金利→金売り)が週初から効く配置です。

🌍 今週の通貨別見通し

海外アナリスト(ING Think、FXStreet、FOREX.com、ActionForex、Bloomberg、Goldman Sachs、Kitco News、BBH)と、羊飼いのFXブログの取材記事(神田卓也氏)、外為どっとコムの見解をミックスして整理しました。志摩力男氏・西原宏一氏・小林芳彦氏の今週分の取材記事は未掲載です。

米 USD 米ドル→ 中立(雇用統計と101.80の壁次第)
織り込みの確認:10月利上げ66.6%・据え置き33.4%、12月までに2回以上が51.6%(Investing.com Fed Rate Monitor、9/26)。先週水曜のバー理事発言で一時73%まで上がり、そこから少し戻した位置です。つまり「10月にもう1回」は3分の2まで入っていて、ここから上に驚くには「12月も」が要ります。ドル指数は101.03で、2週間で6か月ぶりの大きさの上昇(Bloomberg「年内はこの流れが続く」)。一方でActionForexは「楽な状況は終わりつつある。上は101.80〜102.86の壁で、2年債はRSI 72と先走っており、抜けるには10年債がさらに伸びる必要がある」、INGは「ファンダメンタルズに対してドルは伸びすぎ」、Bannockburnのマーク・チャンドラー氏は「ドル強気派は今週試される」と、上値を疑う声が強気と同じくらいあります。金曜にドル指数が-0.25%と5日続伸が止まったのも、その現れです。今週の材料は水曜21:30のPCE(コア前月比+0.2%→+0.3%予想)、木曜23:00のISM製造業(54.6→55.0予想)、金曜21:30の雇用統計(NFP +16.2→+10.0万人、失業率4.1%予想)。買いと売りの材料が釣り合っているので中立に置き、「絶対の方向は中立、ただし他の通貨がもっと弱いので相対では上」という形です。逆に振れるとしたら:上に振れるのは、PCEコアが+0.3%以上でNFPが+10万人を上回り、10月利上げが80%台に乗った場合(ドル指数101.80超え)。下に振れるのは、①NFPが5万人を割るか失業率が4.2%に上がった場合、②ウォラー理事(火深夜・木曜)が8月と同じく「急がない」と言った場合、③四半期末のリバランスでドル売りが出た場合で、このときは66.6%が50%台へ下がりドル指数100割れです。
Investing.com Fed Rate Monitor / Bloomberg / ActionForex / ING Think / Marc to Market(Marc Chandler)/ kissfx.com(指標予想)
日 JPY 日本円→ 中立(介入警戒:高)
先に順番を決めます。①当局、②織り込み、③指標。①介入警戒:高。先週金曜に片山財務相が「トランプ大統領から円安への懸念が示された」と首脳間のやり取りを公表し、財務省は片山・ベッセント電話会談で「円の過小評価は問題」を再確認したと発表(東京新聞・日経・Reuters)。9/18深夜には日銀のレートチェックも入っています。実弾は出ていませんが、日米が揃って言葉で抑えにきている段階で、水曜9/30の財務省公表で9月分の実績が分かります。外為どっとコムは「158円台は日米当局のけん制で上値が重く、156円台は崩れにくい」(9/28午前の予想レンジ156.80〜158.40円、週間は157.00〜162.00円)。②織り込み:日銀の10月利上げは2割未満、年内は5割強(Marc Chandler)。一方FRBは10月66.6%で、金利差は円売り方向のまま。ただしゴールドマン・サックスが円の12か月見通しを165円から150円へ転換(3か月158円・6か月155円)し、「日銀の利上げペースは市場が思うより速い」側に回りました(Bloomberg)。③指標:木曜08:50の日銀短観(大企業製造業+22→+25予想、設備投資+12.2%)と9月会合の主な意見、金曜08:30の東京都区部CPI(除生鮮+1.8%→+2.4%予想と大きな上振れ予想)。ActionForexは「158円で圧迫されており、短観と東京CPIが支えを戻しうる」。国内では羊飼いのFXブログ取材(9/24)で神田卓也氏が「介入催促相場だが再介入は難しい。投機筋の円売りは膨らんでおらず、介入のための米国債売却は米当局の金利抑制方針に反する。あるとしても160円超えの後で、目先は160.39円方向」と、当局の壁を低く見る立場。日経も「ドル高圧力の中で160円を探る展開も」。上は当局の言葉、下は金利差で挟まれているので中立です。逆に振れるとしたら:円高に振れるのは、①水曜の公表で9月に実弾があったと分かった場合、②東京CPIが2.4%以上で日銀10月利上げの織り込みが上がった場合、③NFPが弱く米金利が下がった場合で、155円台。円安に振れるのは、①公表がゼロで「言葉だけ」と見なされた場合、②NFP・PCEが強く米10年債が5.2%を超えた場合で、神田氏の言う160円台を試します。
東京新聞 / 日本経済新聞 / Reuters / 外為どっとコム(9/25週間展望・9/28午前予想)/ 神田卓也(kissfx.com 9/24)/ Goldman Sachs(Bloomberg)/ Marc to Market / ActionForex / kissfx.com(指標予想)
欧 EUR ユーロ↓ やや弱気
ユーロドルは1.1390で、木曜に1.1359と7月下旬以来の安値。3週続けて下げています。織り込みの確認:ECBは先週のPMI速報(製造業が4年ぶりの強さ、価格指数も再上昇)を受けて、ナーゲル独連銀総裁が「緩やかに制限的な領域への移行を排除できない」と転換し、10月利上げが視野に入りました(FXStreet)。金曜18:00のユーロ圏CPI速報は+3.2%→+3.7%、コア+2.4%→+2.5%予想で、これが後押しします。金利の方向はユーロに有利なのに、3週続けて下げているのは、①FRBの10月利上げ織り込みのほうが速く動いてドル側に金利差が開いたこと、②フランス10年債の対独スプレッドが110bpに広がった財政懸念、③メルツ首相の求心力低下(ING・ActionForex)の3つが重なっているためです。FOREX.comは「1.1450以下は弱気が基本線。1.1360を割れば52週安値1.1325、そして1.1300。米PCEや雇用が弱ければ買い戻しで1.1500へ」、INGは次の支えを1.1320〜1.1330、FXStreetは「1.1350が分かれ目。RSIは25の売られすぎ」、外為どっとコムは1.1150〜1.1500。売られすぎの反発はあっても、流れは下なので「やや弱気」です。逆に振れるとしたら:①ユーロ圏CPIが3.7%以上で、ラガルド総裁(月23:00・木22:30)が10月利上げに踏み込んだ場合、②NFPが弱くドル指数が100を割った場合。この2つが重なれば1.1500へ戻します。
FXStreet / FOREX.com / ING Think / ActionForex / 外為どっとコム / kissfx.com(指標予想)
英 GBP ポンド↓ やや弱気(1.3200を守れるか)
ポンドドルは1.3244で、先週は1.3200と6月下旬以来の安値まで下げ、週間-1.27%で主要通貨の最弱級でした。織り込みの確認:ベイリーBOE総裁は金曜に「エネルギー高の転嫁はまだ限定的だが、高止まりすれば据え置きは難しくなる」、ブリーデン・ロンバルデッリ両副総裁も「利上げ票に近づいている」と発言し、市場は11月利上げの方向です(FXStreet)。それでも売られた理由は2つ。①10/28の予算を控えて財政懸念が広がっていること、②BBHが「市場のBOE利上げ織り込みは自社見通しより強すぎる」と指摘するように、利上げ織り込み自体が疑われていること(FXStreet「利上げを語るBOEはポンドを押し上げるはずだが、FRBが先に決め、同じ日に同じことを言った」)。今週は水曜15:00のQ2 GDP改定(+0.4%)と木曜17:00のベイリー総裁講演。FXStreetは「100日線の下で弱気が続く。下値の支え1.3140、上値の壁1.3215、RSIは売られすぎ」。国内材料が財政の話に負けている間は「やや弱気」です。逆に振れるとしたら:①ベイリー総裁が木曜に11月利上げを明確に追認した場合、②ドルが雇用統計で崩れた場合。売られすぎからの戻りは大きく、1.3300台へ一気に戻します。
FXStreet / BBH / Bank of England(ベイリー総裁 9/25)/ kissfx.com(指標予想)
豪 AUD 豪ドル→ 中立(RBA後の声明とCPIで往復)
豪ドルは0.7023で、金曜に8月上旬以来の安値、200日線(0.7020)を割り込みました。3週続落で先週の最弱通貨です。織り込みの確認:火曜13:30のRBAは4.35%→4.60%の利上げが92〜100%まですでに市場に織り込まれています。11月の追加は40.8%、12月は26.4%(ActionForex)。4大銀行すべてが利上げ予想で、ANZは11月もと見ています。「利上げがほぼ確実なのに最弱」だった理由を、ActionForexは「サプライズ懸念ではなく、票の構成と声明の非対称リスクを前にしたロング軽減」と説明しています。CFTCの豪ドル売り持ちは-46,814枚と26週で最も積み上がった水準(FXStreet COT)。つまり「やって当然」で買い材料は消化済み、売り持ちは限界まで積み上がっているという配置です。水曜10:30の豪CPIは+3.5%→+4.1%予想と大きな上振れ予想で、こちらは11月利上げの後押し。中国PMI(水10:30)は製造業49.8→50.1予想。INGは「利上げで0.690割れは避けられる。年末目標は0.73→0.72に下方修正」、FXStreetは「200日線を保てば中期は上向き。支え0.7008・0.6945、上は0.7052・0.7096」、ActionForexは「0.7006を割れば0.6864、中期の支え0.6756」。上下が釣り合うので中立です。逆に振れるとしたら:上に振れるのは、①ブロック総裁が11月に触れ、票が全員一致で、水曜CPIが4.1%以上の場合(売り持ちの買い戻しで0.7100方向)。下に振れるのは、①声明が「様子見」寄りで11月が30%台に下がった場合、②原油高→米金利高が続いて高ベータ通貨が外される場合(0.7006割れ)。原油の効き方はCADと逆符号になる点に注意です。
ING Think / ActionForex / FXStreet(COT含む)/ investingLive / ABC News / kissfx.com(指標予想)
NZ NZD ニュージーランドドル↓ やや弱気
0.5661と2か月ぶりの安値圏を更新中。先週は-1.01%。今週もNZ側の主要指標はなく(水曜のANZ企業景況感のみ)、自前の材料がありません。RBNZは初回利上げの予測を今年のQ4へ前倒ししましたが、市場の織り込みより慎重な姿勢で、FOREX.comは「RBNZが期待を抑えたことでNZドルは下落」。豪ドルと違ってRBAのような利上げイベントの後押しがなく、原油高→米金利高の逆風だけを受ける配置です。逆に振れるとしたら:①火曜のRBAがタカ派で豪ドルと一緒に買い戻された場合、②雇用統計でドルが崩れた場合。売り持ちが多いので反発は速いです。
FOREX.com / FXStreet
加 CAD カナダドル→ 中立
ドルカナダは1.4140で、先週は1.40を上抜けて+1.12%(カナダドル安)。原油がイランの再開提案で週間約8%下げた影響です。今週は逆向きで始まります。トランプ大統領が提案を拒否し、ブレントは月曜に106ドル超へ反発。産油国のカナダドルには追い風で、豪ドル・NZドルとは符号が逆になります。織り込みの確認:BOCは10/28に向けて複数回の利上げが織り込まれたまま(先週分)。火曜21:30のGDP(+0.3%→+0.1%予想)は弱め、水曜は祝日で休場。原油(買い)と米ドル高・弱い成長(売り)が打ち消し合うので中立です。逆に振れるとしたら:①イラン協議が再開して原油が90ドルを割ればカナダドル安(1.42超え)、②原油110ドルに向かえばカナダドル高(1.40割れ)です。
Bloomberg / Trading Economics / ING Think / kissfx.com(指標予想)
瑞 CHF スイスフラン↓ やや弱気
先週のSNBは0.00%据え置きでしたが、フラン高への介入姿勢を「必要に応じて」へ弱めたことが市場には「ハト派サプライズ」と受け止められ、フランは4か月ぶり安値。シュレーゲル総裁は「低金利はキャリー取引の調達通貨としてのフランの魅力を高める」と認めています(FXStreet・Bloomberg)。INGは「市場の織り込みはまだタカ派すぎる。ユーロフランは0.9480の再テストもありうる」。ドルスイスは0.8282。今週は木曜15:30のスイスCPI(+0.4%→±0.0%予想)と24:30のシュレーゲル総裁講演。物価が弱ければ調達通貨としての売りが続きます。逆に振れるとしたら:①中東の緊張が再燃して安全資産の買いが出た場合、②株式市場が崩れてキャリーの巻き戻しが出た場合です。
ING Think / FXStreet / Bloomberg / kissfx.com(指標予想)
🥇 GOLD ゴールド↓ やや弱気($4,300割れが続くならもう一段)
先週の反省を先に置きます。「10月利上げが70%台に乗れば$4,270の再テスト」と書きながら、プロ全員強気を重く見て上向きに置いて外しました。今週は順番を変えて、①金利の織り込みがどちらに動きやすいか、②アナリスト、③テクニカルの順で見ます。①織り込み:10月利上げ66.6%、12月までに2回以上51.6%。10年債は5.1〜5.2%と19年ぶりの高さで、USAGOLDが言うとおり「長期名目金利が金の最大の逆風」。今週はPCE(水)・ISM(木)・雇用統計(金)と金利を動かす材料が3つ並び、FRBの発言は20回超でタカ派(「利下げしない」寄り)が多数。原油も月曜から反発しており、織り込みが上に動く材料のほうが多い配置です。②アナリスト:Kitco調査はプロ14人中 強気5・弱気4・中立5の3分割(先週は16人全員強気)。Marc Chandler氏「$4,400を超えるまで注目に値しない」、Darin Newsom氏「売られすぎだが市場は非合理でいられる」、Rich Checkan氏「FRBの利上げ幅には限界」。FOREX.comは「$4,300〜4,450のレンジで下寄り。PCE・雇用が強ければ$4,245再テスト、弱ければ$4,400〜4,450」。③テクニカル:現値$4,285で$4,300の下。FXStreetの下値の支えは$4,230〜4,200・$4,130・$4,000、上値の壁は$4,400・$4,510〜4,540(200日線)。RSIは50割れ。長い目の買い(8月ETF流入$18bn、中銀の購入継続)は続いていますが、週単位では金利の逆風が勝つと見て「やや弱気」です。逆に振れるとしたら:①NFPが5万人を割るか失業率が4.2%に上がり、10月利上げが50%台へ落ちた場合、②ウォラー理事が「急がない」側に出た場合、③イラン協議が再開して原油が90ドルを割り、かつPCEが弱かった場合。このどれかで$4,400〜4,450へ戻します。逆に、PCEコアが+0.3%以上でNFPも強ければ$4,245割れから$4,200です。
Kitco News(週間調査)/ FOREX.com / FXStreet / USAGOLD / World Gold Council / Investing.com Fed Rate Monitor

📚 最重要指標ピックアップ:金曜21:30の米雇用統計が「10月利上げ66.6%」を確定させるか、崩すか

今週の米指標は水曜のPCE、木曜のISM製造業、金曜の雇用統計と3日続きますが、市場を動かす力が最も大きいのは金曜21:30の雇用統計です。予想はNFP +16.2万人→+10.0万人、失業率4.1%→4.1%、平均時給+0.3%→+0.3%(羊飼いのFXブログ。海外では+9.0万人の予想もあります)。8月の+16.2万人は市場予想の3倍の上振れだったので、その反動で「減速」がすでに予想に入っています。

まず、いま何が織り込まれているか。10月28日の利上げは66.6%、12月までにもう1回以上が9割超、2回以上が51.6%(Investing.com Fed Rate Monitor、9/26)。先週水曜のバー理事の「さらなる利上げが必要」で一時73%まで上がり、週末にかけて少し戻しました。つまり「10月にもう1回」は3分の2まで入っていて、雇用統計はそれを「確定」させるか「崩す」かの分かれ目です。

なぜ意見が割れるのか。強い側の根拠は、新規失業保険申請件数が19.7万件と減少傾向で、OCBCの戦略家は「上振れリスクが高まっている」と見ていること(FXStreet)。先週のPMI速報も雇用の項目を含めて強かった。弱い側の根拠は、JOLTS求人が7271→7225千件と減り続け、ADPの予想も+7.0万人にとどまること。ActionForexは「消費者は一世代ぶりの高金利と賃金の停滞、AIによる雇用不安に直面している」と書いています。バー理事自身が「雇用へのリスクは後退した」と言っているので、FRBは雇用より物価を見ている状態。だから雇用統計は「弱ければ利上げ見送り」ではなく、「よほど弱くない限り10月は利上げ」という非対称な読み方になります。

水曜のPCEはその前座ですが、軽くはありません。コアPCEの前月比は+0.2%→+0.3%予想。+0.3%が出れば前年比3.6〜3.7%で高止まりし、10月利上げの根拠になります。同時に出るQ2 GDP確報(+1.5%)と個人支出(+0.2%→+0.9%予想)も、「成長は強く物価は高い」という利上げ側の材料。木曜のISM製造業は54.6→55.0予想で、価格の項目が先週のPMIと同じく高ければ、金曜を待たずに織り込みが70%台へ戻ります。

円について1つ補足。今週の円は指標ではなく当局で動きます。金曜の雇用統計が強くて米金利が上がっても、158円台には「日米の言葉」の壁があります。逆に雇用統計が弱ければ、金利差の縮小と当局のけん制が同じ方向を向いて円高が速くなります。水曜19:00頃の財務省の介入実績公表で「9月に実弾があったか」が分かるので、雇用統計の前にこの1点だけ確認してください。

💡 読者のみなさんへ:今週の「ここだけ見ればOK」は2つ。①金曜21:30のNFPが+10万人を上回るか、失業率が4.1%のままか(両方クリアなら10月利上げは確定扱いでドル買い・ゴールド売り、NFPが5万人割れか失業率4.2%なら逆)。②10月利上げの確率が66.6%からどちらに動いたか(80%台に乗ればドル1強、50%台に落ちればドル売り・ゴールド買い・豪ドル買い戻し)。円だけは別で、水曜の財務省公表で9月に介入があったかどうかを見てください。

🤖 はかせがAIに聞いてみた

今週の各アナリストの分析と直近のニュースをAIに読み込ませて、総合判断を聞いてみました。

🤖 AI総合判断
今週の通貨強弱ランキング(予想)
USD>
JPY>
CAD>
EUR>
AUD>
NZD>
GBP>
CHF
🥇 GOLD:↓ やや弱気。10年債が19年ぶりの5.1〜5.2%、10月利上げ66.6%、原油は月曜から反発。金利の織り込みが上に動く材料のほうが多く、プロの見方も強気5・弱気4・中立5に割れました。$4,300の下で引けており、PCE・雇用統計が強ければ$4,245の再テスト。NFPが5万人を割るかウォラー理事が「急がない」と言えば$4,400〜4,450へ戻します。
USDを1位に置いた理由は「強いから」ではなく「他が弱いから」です。対ドルのバッジは中立です。10月利上げの織り込みは3分の2まで入り、ドル指数は101.80の壁の手前で、ActionForex・ING・チャンドラー氏がそろって「伸びすぎ」と言っています。それでも相対では上に置くのは、ユーロは財政懸念、ポンドは予算前の売り、豪ドルは声明待ちのロング軽減、フランはSNBの後退と、対抗馬がそれぞれ自前の弱さを抱えているからです。雇用統計が予想どおりなら「動かないドル」が1位、雇用統計が崩れれば順位ごと入れ替わります。
JPYを2位に置いた理由。先週金曜に円が1日で+64.4と、日米の言葉だけで週の順位を最下位圏から2位まで上げました。今週は水曜に財務省の介入実績、木曜に日銀短観、金曜に東京CPI(除生鮮+2.4%予想)と、円の側に材料が続きます。金利差は円売り方向のままなので対ドルのバッジは中立ですが、「上は当局が抑え、下は金利差が支える」という形は、他の通貨が一方向に売られる週には相対的に強く出ます。ゴールドマンが150円へ転換したのも、この「上限」を織り込み始めた動きです。
CADを3位、AUDを5位に分けた理由。原油が月曜から反発しており、産油国のカナダドルには買い、輸入国で高ベータの豪ドル・NZドルには売りと、同じ原油高で符号が逆になります(先週水曜がその形)。豪ドルはRBA利上げの「事実で買い」の可能性があり、売り持ちも限界まで積み上がっているので反発余地はありますが、声明が慎重なら0.7006割れ。往復する前提で真ん中に置きました。GBPとCHFを最下位圏に置いた理由は、ポンドが予算前の財政懸念で「利上げを語っても買われない」状態、フランがSNBの介入姿勢の後退で調達通貨として売られている状態と、どちらも自国の中銀が支えになっていないからです。
📅 曜日別の注意ポイント
月(9/28)米指標なし。週末のイラン提案拒否で原油が反発したまま欧州時間に入るかどうかが最初の材料。19:00ラムスデンBOE副総裁、21:15ボウマン副議長(銀行監督)、23:00ラガルド総裁(欧州議会)、26:25クック理事。ドル円は156円台後半で日米当局のけん制がどこまで効くかを試す日。
火(9/29)⚠️ 13:30 RBA(4.60%へ利上げ予想)→14:30ブロック総裁会見(11月に触れるか)。12:35の40年債入札は日本の超長期金利の需給確認。21:30加GDP、23:00米消費者信頼感・JOLTS。深夜はボウマン(24:00)→バー(25:40)→ウィリアムズ(27:00)→ウォラー(28:00)とFRBの投票権者が4人連続。
水(9/30)⚠️ 本番その1。10:30豪CPI(+4.1%予想)・中国PMI。カナダ休場。15:00英Q2 GDP改定。19:00頃財務省の介入実績公表(9月に実弾があったか)。21:00独CPI速報、21:15 ADP、21:30 PCE(コア+0.3%予想)・Q2 GDP確報。月末・四半期末で24:00のロンドンフィックス前後は値が飛びやすい。28:25クック理事。
木(10/1)07:00カシュカリ。08:50 日銀短観(大企業製造業+25予想)・9月会合の主な意見。10:30豪貿易収支。中国は国慶節で休場入り(〜10/7)。15:30スイスCPI、17:00ベイリー総裁、21:30米失業保険、22:30ラガルド総裁、23:00 ISM製造業(55.0予想・価格の項目)・ウォラー理事、24:30シュレーゲル総裁、26:30ジェファーソン副議長、28:00ボウマン、28:30クック・ウィリアムズ。
金(10/2)⚠️ 本番その2。07:45ローガン。08:30 東京都区部CPI(除生鮮+2.4%予想。上振れなら日銀10月利上げの織り込みが動く)。18:00ユーロ圏CPI速報(+3.7%予想)。21:30 米雇用統計(NFP +10.0万人・失業率4.1%予想)。23:00製造業受注。中国休場で東京時間は薄い。週末持ち越しは介入警戒込みで判断。
最注目イベント:指標では金曜21:30の米雇用統計。ただし週全体では「10月利上げ66.6%が80%台に乗るか、50%台に落ちるか」が主役で、それを動かすのはPCE・ISM・雇用統計の3本と、ウォラー理事の2回の講演です。円だけは別枠で、水曜の財務省公表で9月に実弾があったかどうかが158円台の壁の硬さを決めます。原油は月曜から反発しており、上がればドル・カナダドル買い、ゴールド・豪ドル・NZドル売りの順で効きます。
おすすめ監視ペア:USDJPY(158.95円が先週高値で日米当局の壁、156.93円が先週安値。水曜の介入実績と金曜の雇用統計で上下どちらにも2円動きうる)、XAUUSD($4,300を回復して引けられるか、$4,245を割るか)、AUDUSD(火曜RBA後に0.7074を回復すれば買い戻し、0.7006割れなら0.6864)、EURUSD(1.1360の先週安値と1.1450のどちらを先に抜けるか、金曜のユーロ圏CPIと雇用統計が同日)、GBPUSD(1.3200を守れるか、木曜ベイリー総裁)、USDCAD(原油次第で1.40〜1.42の往復)

📝 まとめ

今週は10月利上げの織り込み(66.6%)を米指標で確定させるか崩すかの週です。水曜PCE→木曜ISM製造業→金曜雇用統計と3日続き、FRBの発言も20回超。ドルは2週間で6か月ぶりの大きさで上がった後の「壁の手前」にいて、対抗馬のユーロ・ポンド・豪ドル・フランはそれぞれ自前の弱さを抱えています。円だけは別枠で、先週金曜の「トランプ大統領が円安を懸念」公表を受け、158円台に日米の言葉の壁ができました。水曜の財務省公表で9月の介入実績が分かるので、そこで壁の硬さが決まります。ゴールドは19年ぶりの米長期金利が逆風で、$4,300の下から金利の織り込み次第です。

▶ 来週の注目:10/5(月)〜の週は、10/6(火)のRBNZ、10/5の米ISM非製造業、10/9(金)のカナダ雇用統計と、指標は今週より薄くなります。代わりに10月FOMC(10/28)前のブラックアウト入りを前にしたFRB高官の発言と、雇用統計の余波、イラン協議の再開が焦点。次回は「雇用統計で10月利上げは確定したのか」を起点に、通貨別の続く/一巡をお届けする予定です。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いいたします。
※指標の重要度ランクは羊飼いのFXブログ(kissfx.com)の指標ランクを参考にしています。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。